行った。
この決定に対し、アメリカの「オバマ大統領は安倍晋三首相の政策を強く支持している」(ロー
ズ米大統領副補佐官)と支持を表明。ヘーゲル国防長官も「自衛隊のより幅広い作戦を可能にし、
日米同盟をより効果的にするものとして歓迎する」という声明を発表した。
一方、中国の反応は米国と真逆で、地域の安全に緊張をもたらすとして強い警戒感を示し「日本
がパンドラの箱を開けた」などと報じているようだ。これに対しアメリカは、日本は近隣諸国に十
分な説明をしてきた(国務省)と反駁している。
では、日本の生命線というべき台湾の反応はどうだろうか。李登輝元総統は昨日、記者団に対
し、中国は尖閣諸島や南シナ海問題で軽率な行動に出られなくなり「地域の安定に寄与する」と評
価したと伝えている。下記に中央通信社の記事を紹介したい。
ところが、馬英九総統は尖閣諸島を念頭に「日本と中国が衝突に向かうのかどうか『皆が非常に
心配している』と述べた」(産経新聞)と報じられている。
つまり、馬総統は中国と同様に「地域の安全に緊張をもたらす」として警戒感を示し、李元総統
やアメリカとまったく逆の反応を示したことになる。
ちなみに、本会は平成24(2012)年3月に初めての「政策提言」を発表、それが「集団的自衛権
に関する現行憲法解釈を修正せよ」で、集団的自衛権に関する現行憲法解釈の修正を提言してい
た。政府が集団的自衛権の行使を容認したことを歓迎したい。
◆本会が集団的自衛権と日台FTAに関する「政策提言」を発表
http://melma.com/backnumber_100557_5546677/
李登輝氏、日本の集団的自衛権容認を評価/台湾
【中央通信社:2014年7月3日】
(台北 3日 中央社)李登輝元総統は3日、日本政府が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を
行ったことについて、日米同盟の関係強化によるアジア地域への好影響に期待感を示した。
李氏は、集団的自衛権の容認は、圧倒的な軍事力を持ちながら経済面で問題を抱える米国のため
にもなるとの見方を示し、「これで米国を安心させることができるだろう」と述べた。また、日本
は今後、フィリピン、オーストラリア、インドとの軍事関係が深まり、台湾にも良い影響がもたら
されると指摘した。
その上で、中国大陸は釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)や南シナ海問題で軽率な行動に出られな
くなるとして、「地域の安定に寄与する」と評価した。
李氏は日本は今回の集団的自衛権容認を機に憲法9条の改正、日本版「台湾関係法」の制定に取
り組み、台湾に安定を与えてほしいと期待を寄せた。
一方、外遊中の馬英九総統は、過去2年、釣魚台列島の領有権を巡り日本と中国大陸の緊張が高
まっていることについて、衝突の可能性が懸念されていると語り、中華民国として引き続き動向を
注視したい考えを示した。
(葉素萍/編集:齊藤啓介)