院長とともに出席。
この会議の席上、「92年コンセンサス」(九二共識)について言及し「そもそも合意自体が存在
していなかったと主張。国民党が都合よく解釈できるよう、2000年当時に、台湾の対中国大陸政策
を担当する大陸委員会主任委員(閣僚)だった蘇起氏が作ったもの」(中央通信社)と、当時の全
貌を掌握する総統だった立場から改めて「92年コンセンサス」合意を否定し、蘇起・大陸委員会主
任委員(当時)が作ったことを明らかにした。そして「台湾は台湾、中国は中国、中国とは関係が
ない」と持論を述べられたという。
台湾の与党である中国国民党が中国との対話の原則としてこだわり、最大野党の民進党も扱いか
ねている印象が強いこの「92年コンセンサス」問題は、次期総統選でも主要テーマとなる可能性が
高い。李元総統はそれを踏まえての発言だった。
質疑応答で、総統選への出馬が取り沙汰されている王金平・立法院長について問われ、それに対
しての李元総統の見解を「台湾国際放送」が伝えているので紹介したい。
なお、中国国民党の総統選立候補者の予備選受付は5月17日と18日。これを受け、6月17日に候補
者が決定する。
李・元総統「朱氏は大局的見地必要」
【台湾国際放送:2015年5月2日】
李登輝・元総統は2日午前、王金平・立法院長と共に、民間団体が主催した「台湾改憲青写真会
議」に出席した。
与党・国民党の朱立倫・主席は2日、国民党主席の身分としては初めて中国大陸を訪問し、4日北
京の人民大会堂で中共の指導者、習近平氏と会見を行う。なお、朱・主席は「92年コンセンサス」
を基礎とし、両岸関係を発展させていくという基本方針を説明すると伝えられている。
これに対し、李登輝・元総統は、国民党の主席を務める朱氏が、今後、総統選に出馬するのであ
れば、大局的見地が必要だとして、再び「92年コンセンサス」(92年共識)を持ち出すべきではな
い、との見方を示した。
李・元総統は、王金平・立法院長に中華民国総統選出馬するよう勧めるかと問われ、自分は出馬
を勧めるような立場ではないとした上で、「王・立法院長には豊かな人脈があり、物事の処理の仕
方も首尾一貫している。国家のリーダーの条件を満たしている」と評価した。