立させたなどの功績により、台中市の国立中興大学から名誉管理学博士号の学位を授与された。
李元総統は曽文恵夫人とともに授与式に臨まれたが、このような公の場に出られるのは、昨年11
月末に軽い脳梗塞を発症してご自宅で療養されていたことから5ヶ月ぶりとなる。授与式には、林
佳龍・台中市長も駆けつけた。本会ホームページに写真入りで掲載している。
中央通信社は、李元総統が授与式で、国家の改革の成功には若者が不可欠で、若者に対して、
「理想と情熱を抱き、国家のために責任を負う勇気と使命感を持たなければならない」とエールを
送ったと伝えている。また、国立中興大学のホームページでも写真入りで報じている。
ちなみに、台中市にある国立中興大学は、日本時代の1919年(大正8年)、台北に設立された
「台湾総督府農林専門学校」を源流とし、1943年(昭和18年)に台中市に移転した「台湾総督府台
中高等農林学校」を祖としており、農業分野に強い名門国立大学として知られている。
李元総統と中興大学の縁は深く、60年ほど前の1957年に中興大学に農業経済研究所が開設された
とき、台湾大学助教授の傍ら聯合農村復興委員会の技正として指導に当たり、少なくない有為の人
材を育てられたという。
◆李登輝獲頒興大名譽管理學博士學位【中興大学ホームページ:2016年5月13日】
http://www.nchu.edu.tw/news-detail.php?id=36594
5ヶ月ぶりに公の場に 李登輝総統が国立中興大学で名誉博士号授与式典に出席
【本会ホームページ「お知らせ」:2016年5月12日】
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20160512-1/
写真:林佳龍・台中市長もお祝いに、薛富盛学長から名誉博士号を授与
李登輝総統は本日午後、台中市の国立中興大学で名誉管理学博士号授与式典に出席した。
昨年11月末に軽い脳梗塞で入院、休養生活に入られて以来、5ヶ月ぶりに公の場に姿を見せたこ
とになる。
李総統は曽文恵夫人とともに式典に出席。台中市の林佳龍市長も駆けつけた。式典では中興大学
の薛富盛・学長自ら李総統へ名誉博士号を授与。李総統は20分ほどの記念講演を行った。
◇ ◇ ◇
李登輝氏、台湾の若者にエール「理想と情熱を抱け」
【中央通信社:2016年5月13日】
(台中 13日 中央社)李登輝元総統は12日、中興大学(台中市)で開かれた名誉博士号の授与式
で、若者に対して、「理想と情熱を抱き、国家のために責任を負う勇気と使命感を持たなければな
らない」とエールを送った。
李氏は1988年の総統就任以来、頭の中にあるのは「国家のため」「人民のため」という言葉のみ
だと語る一方、指導者が人民の声に耳を傾けようとしなければ、台湾は見かけだけが民主主義の独
裁(国家)になってしまうと強調した。
李氏は事例として馬英九政権が2013年に中国大陸と結んだ「サービス貿易取り決め」を取り上
げ、締結前に国民と十分な意思疎通を行わなかったため、2014年の「ヒマワリ学生運動」を引き起
こし、同年の統一地方選と今年1月の総統・立法委員(国会議員)選での与党・国民党の大敗を招
いたと語った。
また、国家の改革の成功には若者が不可欠で、若者の未来は国家の展望に等しいと指摘。若者が
立たされる苦境は国家と社会の危機だとした。
(廖壬楷/編集:杉野浩司)