李登輝元総統は昨日、台湾日本人会と台北市日本工商会が8月例会として企画した在留邦
人を対象とした講演会で「台湾の直面する危機」と題して講演。台湾の対中関係や対日関
係に言及し「和中、親日米」を訴えられた。
講演後、「日本の若者にメッセージを」との質問には「日本李登輝友の会が毎年、李登
輝学校を開催している。これに参加して日台関係をもっと勉強してほしい」と答え、また
「日本と台湾が国交を結ぶために必要なことは?」との質問に対しては「日本側がまだ中
国をいびつに捉えている。外国人登録証問題は解決したが、戸籍問題というのが最近分か
って、日本でそれを解消しようという運動が始まっている。こういうことをやっているの
は日本の法務省だ。日本政府が中国というものをいびつに捉えているうちは、国交という
問題はまだ難しいのではないかと思っている」と答えられた。
講演の詳細は本会ホームページに掲載する予定だが、下記に時事通信の報道をご紹介し
たい。
台湾は独立自尊を=李元総統、「中国の言いなり」と政権批判
【時事通信:2011年8月5日】
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011080500797
【台北時事】台湾の李登輝元総統は5日、台湾に進出している日本企業の団体の招きに応
じ、「台湾の直面する危機」と題した講演を台北市内のホテルで行った。李元総統はこの
中で、台湾の置かれている国際状況について「中国の政治大国化を前に、台湾人の自信が
揺らいでいる」と指摘。その上で、「世界における独立自尊の台湾の自画像を描き、実践
していくことこそが指導者の最大の責務だ」と主張した。
李元総統は馬英九政権の対中政策について「経済的な利益のために、中国の言いなりに
(対中)開放政策を進めている」と批判。「関係改善はある程度歓迎すべきだが、中国の
将来の不確実性を考えれば、君は君、俺は俺というけじめをつけて付き合っていくことが
現実的だ」と述べ、主体性を持った関係構築を強く求めた。