現在発売中の月刊「SAPIO」1月号(12月10日発売)で、李登輝元総統が「中国の覇
権主義を抑え込み、アジアの安全保障を担う『日本精神』に期待する」と題し、その要諦
と対応策を表明している。
冒頭、中国の指導者が習近平になったことについて「中国では誰であろうと指導者にな
れば、“中国の指導者”になるだけ」と喝破。その台湾経験から「中国を相手にするに
は、恐れず、怯まず、強い姿勢で臨むことが重要だ」と要諦を披瀝。
また「中国の太平洋進出戦略は、尖閣の領土化から始まる」と指摘し、日本の有力政治
家からも出ている「共同管理論」を「極めて危険な発想」と切り捨てている。
さらに、経済的・軍事的に台頭する中国と、経済的に低迷している米国が冷戦に向いつ
つある状況について、李元総統は「今が、むしろ日本にとっては真の自主独立を勝ち取る
絶好のチャンス」と捉え、日本が米国依存を絶つ好機と強調する。
そこで、日本はアジアの安全保障に責任を果たすことを高く掲げて中国の覇権主義に歯
止めをかけ、米国と対等な関係を作り上げることの重要性を説く。
では、台湾との関係はどうかというと「再構築」が必要だという。自由・民主の価値観
を共有する台湾との協調がポイントだと説く。
かなり具体的で説得力に富む提案だ。詳しくは読んでいただくしかないが、安倍内閣の
閣僚には、李登輝元総統からのクリスマスプレゼントの箱をぜひ開けてもらいたいもの
だ。
◆月刊「SAPIO」1月号 世界を見れば日本が見える 歴史を見れば現代がわかる
http://www.shogakukan.co.jp/magazines/detail/_sbook_1409701113