初年度となる今年は、台湾全土から「一定の日本語能力を有する、高校1〜2年次に在籍する台湾人」15人を選抜した。日本台湾交流協会のホームページが詳しく伝えているので下記にご紹介した。
本誌では、日台間の交流密度がよく分かるのではないかと考え、その指標のひとつとして、高校生の台湾修学旅行や台湾からの教育旅行について紹介してきている。
文部科学省が1986年から隔年ごとに調査発表している「高等学校等における国際交流等の状況について」の「学校訪問を伴う外国からの教育旅行の受入れについて」を見ると、台湾からは、2004年度は韓国(5,435人)、アメリカ(2,940人)に次ぐ2,484人だった。
それが、2006年度は6,667人で2位となり、2008年度は7,320人と増加、2011年度にはついにトップに立ち、3,494人で、韓国からの3,475人を19人の僅差でかわしている(2011年度の来日者数が少ないのは東日本大震災の影響で、全体でも前回調査比で53%の減だった)。
2013年度はついに1万人を突破して1万1,382人(310校)となり、2位韓国の5,567人(193校)を大きく引き離し、この傾向は2015年度にも顕著に現れ、1万2,250人(351校)でダントツの1位だった。2位中国の4,002人(160校)、3位韓国の3,785人(150校)で、2013年度も2015年度も1万人を超したのは台湾だけだった。
ちなみに、2016年度の日本の高校生総数は329万9,599人、高校数は6,714校。2015年度に海外修学旅行を実施した高校生は16万4,929人(1,279校)だった。一方、台湾の高校生総数は77万6,112人、高校数は506校。
高校数からした台湾の日本への2015年度の教育旅行は実に69.3%にも及ぶ。日本から台湾への2015年度の修学旅行は、アメリカの281校(3万8,453人)に次ぐ232校(3万5,775人)だったから、海外修学旅行実施高校の18.1%。いかに台湾から日本に来る高校生が多いかが分かる。
この傾向を踏まえれば、今回の「台湾高校生日本留学事業」はまさに絶好のタイミングで実施されたプロジェクトと言ってよい。日台双方の教育交流に拍車をかける推進力となるにちがいない。
—————————————————————————————–日本台湾交流協会による台湾高校生日本留学プロジェクトが本格始動【日本台湾交流協会HP:2017年8月29日】https://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/Top/3B764D72662A5E054925818B002D49A0?OpenDocument
日本台湾交流協会は、日本と台湾の架け橋となる知日派人材を育成するための新たな取り組みとして、台湾の高校生たちに日本に留学する機会を提供する「台湾高校生日本留学事業」を立ち上げました。初年度となる今年は、台湾全土から15人の高校生が8月27日(日)に東京に到着し、約11か月にわたる日本留学生活の第一歩を踏み出しました。
日本の高校生活を開始するのに先立ち、留学生たちは、日本留学の大先輩である謝長廷・駐日代表を訪ね、谷崎泰明・当協会理事長及び謝長廷・駐日代表から激励の言葉をいただきました。
謝長廷駐日代表は、自身が京都大学大学院に留学したときの経験を交えながら、高校生のうちに日本に留学するなど、かつてであれば想像できなかったことであり、この事業を開始した日本台湾交流協会に謝意を表するとともに、日本でたくさん友人を作り、日本を理解してほしいと学生たちを激励した。谷崎理事長は、日本での生活においては苦労も多々あろうが、「艱難汝を玉にす」という言葉があるとおり、困難を乗り越えることで逞しく育ってほしいとし、中国語で「加油!(頑張って!)」とエールを送った。
15人の留学生たちは、日本の高校生たちと机を並べ、一緒にクラブ活動に参加したり、日台の習慣や文化の違いを語り合ったり、ホームステイ先や寮の仲間と寝食を共にしながら、日本のことを深く理解していきます。当協会は、日本にとっての重要なパートナーである台湾との友好関係がこれからも末永く続き、ますます発展していくよう願っており、15人の留学生たちが、これからの日台友好を支える大切な人材としてしっかり成長していけるよう、全力でサポートしていきます。
≪参考:台湾高校生日本留学事業概要≫
1.事業概要と目的
約1年間にわたって日本の高校生と同じ環境で学校生活を送り、日本の社会・文化・歴史を学 ぶ機会を台湾の高校生に提供することで、日本と台湾の架け橋となる知日派人材を育成すること。
2.当協会の役割
当協会は、学生の募集・選抜、日本側受入れ高校の選定・調整、宿舎手配(ホームステイ、 寮)、査証手配、留学期間中のカウンセリング・ケア等を行うほか、入学金・授業料・課外活動 経費・制服代、通学交通費、宿泊代、食費、生活雑費、保険料等を支給します。
3.対象者、選抜方法等
(1)対 象 者 台湾の高校1〜2年次に在籍し、一定の日本語能力を有する台湾人(台湾籍を有 する者)
(2)人 数 第1期 15名(男2、女13)
(3)選抜方法 日本台湾交流協会の書類・面接審査により選抜
(4)留学期間 2017年8月〜2018年7月
4.学生の出身校、留学先高校
(1)出身校(台湾での在籍高校)
基隆女子高中、金甌女子高中、育達商業職業学校、静修女子高中、十信高中、曙光女子高 中、台中女子高中、台中科技大学高専、普台高中、文藻外語大学高専、樹徳家事職業学校、 屏栄高中、四維高中
(2)留学先(日本で在籍する高校)
札幌日本大学高校、札幌聖心女子学院高校、茗渓学園高校、筑波大学付属坂戸高校、青山学 院高等部、都立立川国際中等教育学校、富士見ヶ丘高校、武蔵野女子学院高校、都立翔陽高 校、県立横浜国際高校、星城高校、麗澤瑞浪高校、県立名張青峰高校
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【問い合わせ先】
日本台湾交流協会本部 総務部長 柿澤 未知 住所:東京都港区六本木3-16-33 青葉六本木ビル7階 電話:03-5573-2600(内線10)
日本台湾交流協会台北事務所 文化室 阿部 久美子 住所:台北市慶城街28號 通泰大樓 電話:02-2713-8000(内線2425)