「アクアパーク品川」などの運営・管理を行っている「株式会社横浜八景島(Yokohama
Hakkeijima Inc.)」が台湾で水族館事業を展開することを発表した。日本企業として初めてのこ
とだそうだ。
水族館建設予定地の台湾高速鉄道(台湾高鉄)桃園駅前は、台湾の国泰人寿保険股份有限公司が
進める大規模開発エリア「台湾高鉄駅前開発地区」に位置する重要な事業だという。
昨日(8月9日)、桃園駅前において「桃園水族館」(仮称)の起工式を行った。下記にNHK
ニュースを動画とともにご紹介したい。
そもそも「横浜八景島」は西部グループの一員で、プリンスホテルは台北市内の華泰王子飯店な
どホテル事業を展開し、西武グループの持ち株会社である西武ホールディングスは台湾鉄路管理局
と友好協定を締結(2015年3月14日)するなど、台湾を「極めて重要な地域」として捉えていると
いう。
「横浜八景島」の布留川信行(ふるかわ・のぶゆき)社長自身、台湾と縁がないわけでもない。
「横浜・八景島シーパラダイス」は、巨大なジンベエザメが泳ぐその合間からイルカがジャンプ
を見せることで有名で、世界唯一の光景だという。イルカ飼育員の反対を押し切ってジンベエザメ
をイルカと同じ水槽で飼うことを提案したのは布留川社長だそうで「ジンベエザメの飼育は布留川
の長年の夢だった。10年以上前、台湾に入手の可能性を探りに行ったこともあった」(朝日新聞
GLOBE「突破する力」)という。
桃園市の鄭文燦市長は起工式で「最新の技術を駆使した新しい都市型の水族館は多くの人々を呼
び込み、地域の発展につながるでしょう」と述べて期待を示し、布留川社長もまた「日本と絆の強
い台湾で世界でも初めてといえるほどの新しい水族館事業を展開し、今後の海外進出のモデルにし
たい」と意気込みを述べている。
日本企業の日台ビジネスへの関心は高まっており、台湾進出案件はここ10年来、高い水準で推移
しているようだ。その投資件数を見ると、2000 年代に入ってからは年間200〜300 件くらいで推移
していたが、2009年:266件、2010年:338件、2011 年:441 件、2012年:619件、2013年:616 件
となっている(経済部投資審議委員会)。
2014年は488件と減少したものの、投資金額は5.5億US$で前年の4.1億US$から34.3%増加してい
る。2016年は458件で、高水準を保っているようだ。
日本企業の台湾進出の背景にあるのは、布留川社長がいみじくも指摘しているように「日本との
強い絆」にある。この絆を強めたのは、東日本大震災で台湾の人々が示してくれた支援と断言して
も過言ではないだろう。
◆横浜八景島HP:日本企業として台湾で水族館事業を初展開[2016年11月28日]
http://www.seaparadise.co.jp/file/20161128taoyuan_toorglqsrqvopnfdpovzlxvnlnqeprjb.pdf
台湾の台北郊外に日本の水族館が進出へ
【NHKニュース:8月9日】
動画:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170809/k10011094761000.html
台湾の中心都市、台北の郊外に日本の水族館が進出することになり、地元では観客を楽しませる
エンターテインメント性と優れた集客力を持つ日本の水族館への期待が高まっています。
台湾に進出するのは「横浜・八景島シーパラダイス」など日本国内4か所で水族館を運営する会
社で、台北郊外の桃園市で9日、地元の関係者などおよそ150人が出席して起工式が行われました。
建設予定地は、アウトレットモールなどが並び、週末には若者や家族連れなどが足を運ぶ地区の
一角で、地上3階、地下2階、のべ床面積1万5000平方メートルの水族館が3年後に完成する予定です。
台湾にも水族館が4か所ありますが、海沿いに集中し、都市型の大規模な水族館は初めてだとい
うことです。
地元では、観客を楽しませるエンターテインメント性と優れた集客力を持つ日本の水族館に魅力
を感じていたということで、起工式で桃園市の鄭文燦市長は、「最新の技術を駆使した新しい都市
型の水族館は多くの人々を呼び込み、地域の発展につながるでしょう」と期待を示しました。
日本の会社側にとっても海外で本格的な水族館を運営するのは初めてで、「横浜八景島」の布留
川信行社長は、「日本と絆の強い台湾で世界でも初めてといえるほどの新しい水族館事業を展開
し、今後の海外進出のモデルにしたい」と話していました。