本年に入って、中国で生産した地球儀が台湾を中国領の「台湾島」などと表示して販
売されていることが発覚した。多くの苦情が発売元の学研トイズに届き、即刻、販売中
止と返却手続き措置が取られた。その後もタカラトミー、やのまん、渡辺教具製作所、
デビカなどでも見つかり、販売中止や回収などの措置を取っている。
この地球儀は国境線を台湾の東側に引いて、尖閣諸島なども中国領としていた。この
ような地球儀を日本で販売していたのだから、販売中止は当然の措置である。外務省の
ホームページの地図も、これまで台湾と中国を同じ色にしていたが、地球儀問題が起こ
ってから色を消してしまった。これまた当然の措置である。
地球儀問題は、日本人の感覚がまだまだ健全であることを証した。また、台湾が台湾
駐日代表処を通じ、「台湾は中華人民共和国とは別の主権国家」と宣して学研トイズに
販売中止を求めたことは、台湾の姿勢を示して日本人の台湾認識を高めるうえで大きな
意義があった。
だが、日本の中学生が使用している地図帳も台湾の東側に国境線を引いて、台湾を中
国領としている。さすがに尖閣諸島までは含めていないが、中国製地球儀と似たり寄っ
たりなのである。また、外務省のホームページも色を消したまではよかったが、中国の
面積を「九六〇万平方キロメートル」と記し、未だに台湾の面積(三六万平方キロメー
トル)を中国に含ませて中国領扱いなのである。
台湾は中国の領土ではない。検定済み地図帳も外務省ホームページも政府見解を逸脱
する誤った表記だ。
在日台湾人の外国人登録証明書(外登証)の国籍表示は「中国」とされ、管轄の法務
省入国管理局は「現状で問題なし」としている。だが、これは明らかな人権侵害であり、
政府見解にも悖る措置だ。日本はすでにノービザや運転免許証の相互承認、天皇誕生日
祝賀会の台湾開催等で台湾と中国を明確に区別する措置を取っている。
地球儀問題の根底に外登証問題がある。日本における台湾正名運動とは、この問題の
解決にある。
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