日台FTAの早期締結を!  梅原 克彦(国際教養大学教授・本会常務理事)

設立10年目を迎えた平成24(2012)年3月、本会は初めての「政策提言」として「集団的自衛権
に関する現行憲法解釈を修正せよ」と「台湾との自由貿易協定(FTA)を早期に締結せよ」の2つ
を総会で可決して公表した。

 この「政策提言」を取りまとめているのは、本会内に設置する「日米台の安全保障等に関する研
究会」で、座長は常務理事の川村純彦氏(元第5及び第4航空群司令、海将補、岡崎研究所副理事
長)がつとめ、毎回、10人ほどのメンバーが集って2時間ほど研鑽してきている。日台FTAは、
通産省でわが国初のFTA「日本・シンガポール経済連携協定」を担当した専門家でもある国際教
養大学教授の梅原克彦・常務理事が担当して取りまとめた。

 安倍政権となって、台湾を重要なパートナーと宣言した日本は懸案だった台湾との漁業協定を昨
年4月に締結し、それ以降、日台関係は著しく進展している。

 一方の台湾は2010年6月、中国との域内協定と言われた経済協力枠組み協定(ECFA)を締結後、
昨年になって7月にニュージーランド、11月にはシンガポールと立て続けにFTAを締結。台湾も
中国も世界貿易機関(WTO)に加盟しているので、さすがの中国もWTOルールを無視して台湾
と他国のFTA締結には表立って反対できなかった。台湾側はこれまでも日本とのFTAを望む発
言を繰り返してきているが、さらに強く要望するようになっている。

 このような状況下、本会「政策提言」で日台FTAについて取りまとめた梅原常務理事に改めて
日台FTAについて、機関誌「日台共栄」2月号で執筆いただいた。

                 ◇   ◇   ◇

梅原克彦(うめはら・かつひこ) 昭和29(1954)年、宮城県仙台市生まれ。東大法学部卒業。昭
和53年、通産省入省後、通商政策局地域協力課長、通商政策局通商交渉官などを歴任。在職中、わ
が国初のFTA「日本・シンガポール経済連携協定」の企画・立案・政府間交渉を担当。平成17年
8月〜21年8月、仙台市長。現在、国際教養大学東アジア調査研究センター教授、同センター副セン
ター長、本会常務理事。


日台FTAの早期締結を!

                       国際教養大学教授・本会常務理事 梅原 克彦

 我が国と台湾との間の自由貿易協定(FTA)については、依然として進展がないまま今日に
至っていることは周知の通りである。

 今から10数年前のことになるが、2001年10月、上海におけるAPEC(アジア太平洋経済協力)
閣僚会議の際、我が国の平沼赳夫・経済産業大臣(当時)と台湾の林義夫・経済部長との会談にお
いて、「日台FTA」について民間レベルの対話と研究を開始することが合意された。これを受け
て「東亜経済人会議」(事務局は日本経団連と台湾工商推進会)が中心となって検討が行われ、
2002年末には「日台FTA民間研究中間報告」が採択されるなど、当時、地道ながらも「日台FT
A」の締結に向けて一定の前進が見られたのである。

 しかしながら、その9年後の2011年9月に、交流協会と亜東関係協会との間で「日台投資協定」が
合意されるに至るまで、日台両国の間における貿易、投資関連の協定については、ほとんど進展が
なかった。

 日本と台湾とは、地理的な隣接関係、両国間の経済関係の緊密もさることながら、自由貿易に
とって最も重要な基盤である「自由で開放的な経済体制」「民主主義的な政治体制」「言論、報道
の自由」「法治主義」といった自由世界の基本的な価値観を共有している。従って、2国間のFT
Aを締結するに最もふさわしい間柄と言える。

 そもそもFTAとは、台湾も正式なメンバーである世界貿易機関(WTO)のルール、すなわち
関税及び貿易に関する一般協定(GATT)に則った「例外的な措置」であり、日台間でFTAを
締結するに当たり法律上の問題は何もない。現に、台湾は昨年、ニュージーランドやシンガポール
とFTAを締結している。日本が台湾とのFTA締結について「北京の反対に気兼ねする」ことな
ど、法律上も実体上も全くないのである。

 昨年12月6日、本会役員・支部長訪台団が、交流協会台北事務所を訪れた際、佐味祐介・副代表
から「日台間の長年の懸案事項であった漁業協定の他にも、相互承認、知的所有権など様々な経済
関連の分野において、日台間での合意が成立している」との説明があった。

 もはや、関税撤廃、引き下げを中心とするFTAはもちろんのこと、経済関係全般にわたり、よ
り広く、既存の諸分野での合意をも取り込んだかたちの「経済連携協定」(EPA)の締結につい
ても時機到来と言えよう。

                          【機関誌「日台共栄」2月号「巻頭言」】


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・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)
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