日本と台湾とは、その緊密な貿易、経済関係を考えれば、二国間の自由貿易協定(FT
A)を締結するに最もふさわしい間柄である。もとより、日台両国は、世界貿易機関(W
TO)の正式メンバーであることから、WTO上のルールに則った例外的な措置である二
国間のFTAを締結することには、国際法上の問題もない。加えて、台湾側の官民双方と
も、日本とのFTAの締結についての熱意を持っていることは周知のとおりである。
A)を締結するに最もふさわしい間柄である。もとより、日台両国は、世界貿易機関(W
TO)の正式メンバーであることから、WTO上のルールに則った例外的な措置である二
国間のFTAを締結することには、国際法上の問題もない。加えて、台湾側の官民双方と
も、日本とのFTAの締結についての熱意を持っていることは周知のとおりである。
しかしながら、日台両国間においては、2002年に民間ベースの共同研究が採択されて以
降、ほとんど進展がないのが現状である。これは、ひとえに、歴代の日本の政権、そして
それを後押しすべき日本の経済界が、日台FTAの締結について、「北京」の顔色を窺
い、「北京」の反対に気兼ねするという、悪しき弊害が今日に至るまで続いているからに
他ならない。
アジア太平洋地域における各種の地域経済統合の動きが加速している現在、日本として
も外交、通商政策上の有力なカードとなり得る日台FTAについて、東アジア地域の安全
保障をはじめとする政治的な要因を十分考慮に入れつつ、思い切って早期に締結すべきこ
とをここに提言する。