建設業が好調で輸出も増加して史上最高となる見通しの台湾経済

 台湾経済が好調だ。本誌でもお伝えしたように、国内旅行は行楽地のホテルがほぼ満杯。第3・四半期の域内総生産(GDP)も、電子機器輸出が好調だったことから前年比3.33%増加して2年ぶりの大幅な拡大と伝えられている。

 2020年の半導体生産額も過去最高の3兆2185億台湾ドル(約11兆8500億円)になる見通しで、生産拠点を台湾に戻す企業も多く、2019年1月以降、約500社、1兆1000億台湾ドル(約4兆円)余りにも上っているそうだ。

 台湾国際放送によれば「台湾企業が台湾に戻って投資を進めているため工場建設が相次いでいること、インフラ建設計画が引き続き進められていること、不動産市場が活況をみせていること、以上の3つの要因で、このところ建設業の景気が好調」と伝え、「来年2021年1月末の人材需要は、今年10月末に比べて4万2000人増加し、同時期としてはこの6年で最高となる見込み」と報じている。

 失業率を見てみても、6月:3.97%、7月:3.9%、8月:3.8%、9月:3.8%、10月:3.8%で、10月の統計ではカナダの8.1%や米国の6.6%、ドイツの4.4%を下回り、韓国の3.7%とほぼ肩を並べる。日本はこれまでの2.4%からさすがに3%に上昇しているが、それでも先進国ではもっとも低い。

 台湾ドル?にもかかわらず台湾の輸出は大幅に増加し、財政部は「通年で史上最高を更新する見通し」と発表しているそうだ。下記に台湾国際放送の記事を紹介したい。 —————————————————————————————–台湾の輸出、11月は12%増 通年で記録更新の見通し【台湾国際放送:2020年12月7日】

 財政部が7日に発表したところによりますと、11月の輸出は319億9000万米ドルで、昨年同期比12%増加しました。輸出の増加は、5ヶ月連続です。一方、11月の輸入も267億2000万米ドルと、昨年同期比10%の増加となっています。

 財政部は、12月の輸出は昨年同期比7%から9%増加すると予測、通年で史上最高を更新する見通しを示しました。

 月別で見た場合、11月の輸出は史上2番目に多く、輸入は3番目に高い数値となっています。

 財政部によりますと、新しい科学技術の開発とITツールなどの活用に、年末年始の買い物ブームを加え、企業は相次いで在庫積み増しで対応。主要輸出品のうち、電子部品は昨年同期比19.5%増、ICT製品が単月としては過去最高を記録しました。

 財政部統計処の蔡美[女那]・処長は、「今年1月から11月までの輸出額は、史上最高だった2018年と比べた場合、わずか217億米ドルの差しかない。そのため、今年の輸出は必ず史上最高を更新することが出来る」と予測しました。

 蔡美[女那]・処長はまた、「主計総処がこのほど、台湾の経済に関する推計値を発表した際、第4四半期の輸出成長幅を7.8%へと大幅に上方修正した。米ドルに換算すれば、約937億米ドル規模だ。この数字から10月と11月の輸出額を差し引けば、12月の輸出額が295.2億米ドルあれば、目標を達成することが出来る。今の見積もりでは、12月の輸出は300億米ドルを上回る見通しだ。昨年同期比7%から9%ぐらい増加し、主計総処の推計値を上回る見込みがある」と分析しました。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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