佐竹知事の訪台は2010年(平成22年)から始まり、全国知事の中でも群を抜いて熱心だ。2014年には1月、8月、10月と年に3回も訪台している。
それもそのはずで、これまでのトップセールスの効果が近年になってようやく実りはじめ、台湾からの観光客は2014年から増え始め、4年間で5倍以上となっている。昨年(2018年)、秋田県に宿泊した海外宿泊客で台湾は4万9,960人で、前年比17.9%増となり、全体の44.5%を占めて国・地域別では首位だったそうだ(秋田県作成「観光統計」)。
8月21日は、秋田県内の酒造メーカーや食品メーカーなど6事業者が参加し、台北市内で台湾の企業向けに秋田県産の食品をPRする商談会を開催したという。
この商談会には秋田牛ステーキや秋田米を使用したライスコロッケ、名物の稲庭うどんを台湾風にアレンジした料理などが提供されそうで、中でも目をひいたのは「青パパイヤの漬物」。「いぶりがっこ」など漬物の製造・販売を手掛ける秋田食産が自社で栽培したもので、今年初めて出品、「雪国で作った南国フルーツという意外性が売り」だという。
ちなみに、秋田県には県産モルトウイスキー開発の機運があり、男鹿半島に醸造所を建設する構想もあるという。台湾には世界的なブランドとなったカバランウィスキーがある。秋田と台湾のウィスキー交流も夢ではないかもしれない。
22日には観光懇談会を開催、24日には2014年に立ち上げた牛肉の統一ブランド「秋田牛」のトップセールスを行ったことを台湾の「NNA ASIA」が伝えている。下記にその記事をご紹介したい。
いずれにしても、大事なのは「足の確保」で、今後は定期チャーター便の安定的な運航や新たなチャーター便運航を模索しているという。
—————————————————————————————–秋田知事、台北で「秋田牛」トップセールス【NNA ASIA:2019年8月26日】https://www.nna.jp/news/show/1942564
台湾を訪問した秋田県の佐竹敬久知事は24日、台北市内湖区のスーパー、美福食集で秋田県が2014年に立ち上げた牛肉の統一ブランド「秋田牛」のトップセールスを行った。現場で調理した秋田牛を来場者に振る舞い、「秋田牛は現在頭数を増やしているところ。これを機に台湾へたくさん売り込み、多くの人に食べていただきたい」と期待感を示した。
秋田牛は、飼料にコメを利用することが特徴の黒毛和牛。コメ生産量が全国3位の秋田が推進する「耕畜連携」のブランドだ。県畜産振興課によると、「脂があっさりとしてジューシーと評価を得ている」。台湾には2017年から輸出を始め、これまでに約6トンを輸出した。
美福食集は22〜25日まで「秋田物産展」を開催。秋田牛を試食販売するほか、秋田県産「あきたこまち」や地酒の「高清水」なども販売する。
美福食集は、牛肉の輸入や食材の販売などを手掛ける美福国際が運営。同社の担当者によると、美福食集で秋田県のイベントを開催するのは初めて。美福食集では日本の牛肉を「台湾で一番そろえている」といい、台湾が2017年9月に日本産牛肉の輸入を解禁した際には、1カ月ほどで取り扱いを再開した。
秋田牛については、「脂が食べやすいと好評を得ている。物産展終了後も試食販売を続けたい」と語った。