宮城県石巻市で被災した高橋俊一さんと宣教師たちの交流が「河北新報」に掲載

第15回李登輝学校研修団に石巻市から高橋さんと阿部さんが参加し台湾に御礼

 本誌で何度かお伝えしたように、東日本大震災により宮城県石巻市で被災したコンビニ
を営む高橋俊一さん(本会会員、李登輝学校研修団10期生)の元に3月30日、李登輝学校研
修団1期生の好田良弘(こうだ・よしひろ)さんが自転車8台を直接届けた。

 高橋さんは早速、「李友会号」「共栄号」「海角七号」などと、それぞれの自転車に名
前をつけ、渡波(わたのは)保育所やはまなす保育所、あるいは公共機関に寄贈し大変喜
ばれたという。

 その後、高橋さんからのレポートを「被災地から」からと題して何度か掲載したが、そ
の中に「4月米国の宗教団体、宣教師等が被災地を訪れ、物資の配給や自宅清掃支援を行
ふ。 私が自転車を贈る活動をしてゐる旨を伝えると共感を示し、早速10台準備(新車、中
国製)して来る」という記述があった。

 5月8日付の「河北新報」がその宣教師、カルビン・カミングスさんと息子のルカ・カル
ビンさんたちのボランティア活動について取り上げ、そのきっかけは高橋さんがその2人に
お礼を言ったことだったことなどを伝えている。昨日、震災後、高橋さんと連絡を取り合
っていた会員の方からこの河北新報の記事をお送りいただいたので、早速ご紹介したい。

 河北新報の記事には、宣教師親子と高橋さんたちがボランティア活動の合間に談笑する
写真も掲載されている。

 なお、高橋さんは多額の義捐金や多量の支援物資を寄せてくれている台湾の方々に、台
湾に行って直接御礼を申し上げたいと、復旧のさなかにもかかわらず、5月7日から実施し
た第15回台湾李登輝学校研修団に参加している。この研修団には、同じ石巻市で被災した
高橋さんの知人の阿部利基(あべ・としき)さんも参加し、研修中、2人はこもごも講師の
先生方などに御礼を申し上げていた。

 ただ、昨日の本誌でもお伝えしたように、李登輝学校の校長もつとめる李登輝元総統が
体調を崩されたため特別講義が取りやめになり、李元総統に直接御礼を申し上げる機会を
得られなかったことは心残りのようではあったが、お二人とも心から李元総統のご快癒を
願う旨の感想を述べていたことが印象深かった。

 ちなみに、河北新報の記事を送っていただいた会員の方も今回の李登輝学校研修団に参
加し、高橋さんから取材のことを聞き、記事を探して送ってくれたことを付記する。


“古里宮城”助けたい/宣教師・カルビン・カミングスさん(69)=名取市
【河北新報:2011年5月8日】
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1070/20110508_01.htm

「祖父の代から続いた八百屋なんだ。閉めなきゃならないのが心残り」

 万石浦に面した石巻市東部の渡波地区。国道沿いにある高橋八百屋店主高橋紀夫さん(71)
は無念そうに言った。3月11日の津波で自宅は流され、店も設備が壊れた。地盤沈下も起き
て、たびたび冠水するという。

「でも、ありがたいのは若い人たちの応援だ。どうにも片付かなかったところを助けてく
れた」

 外ではボランティアたちが、商品の花の鉢が散乱するビニールハウスの残骸と格闘して
いた。

 中心になって声を出していたのが背の高い米国人の若者だ。ルカ・カミングスさん(25)。
声を掛けた東京の友人たちと3週間余り、渡波地区で活動しているという。

「被災した人たちと一緒にいたいし、何でもやりたい。この国は自分の故郷そのものだか
ら」

 日本人と変わらぬ日本語が返り、隣で父カルビンさん(69)が笑った。

 カルビンさんはキリスト教の宣教師。1970年に来日、81年から仙台市内の教会で活動し
てきた。6年前から名取市で妻と暮らす。「4男2女の子どもが皆、仙台市川平小の卒業生」
と言う。

「震災が起き、仙台の教会に避難した人たちの世話や、支援物資を集める活動を始めたら、
翌日にルカが駆け付けた」

 ルカさんは末っ子。日本で育ち、日本人女性と結婚し、上智大を卒業。埼玉に住み、登
山ガイドなどの仕事をしている。

「居ても立ってもいられず、緊急車両に乗せてもらい物資を名取市役所に運んだ」と言う。
以来、父と一緒に被災者への支援活動を続けてきた。

 渡波地区を2人で訪ねたのは4月4日。犠牲者への祈りを唱え、手伝いのできる場を探して
いた時、高橋さんの長男でコンビニエンスストアを営む俊一さん(40)と出会った。

 俊一さんは「『サンキュー フォー カミング(来てくれてありがとう)』と2人に声を
掛けたら、『私もカミングスと申します』と日本語で言われ、笑って打ち解けた」と振り
返る。

 ルカさんは地元の復旧支援活動をしている俊一さんと友人になり、高橋八百屋と、人手
に困った家々の手伝いを東京の仲間や父と続けた。被災者が泊めてくれたり、テントに寝
たりしながら、23軒の片付けを終えた。

「支援がまだ届かない地域も多い。活動の基地になる場を石巻に探して借り、腰を据えて
続けたい」とルカさんは言う。

 カルビンさんの残る3人の息子は、実家のある米フィラデルフィアなどで暮らすが、震災
後、次々と飛んできた。

 次男の医師ダニエルさん(34)は3月末から10日間、日本赤十字の傘下に入り、石巻市内
の避難所で働いた。

 病院の救急スタッフの三男カレブさん(27)、宣教師になる勉強中の長男マタイさん(37)
も、石巻や宮城県山元町の避難所の仕事を手伝った。

「みんな生まれ育った故郷だから。当たり前のこと」とカルビンさん。

 福島第1原発事故の後、米政府は日本にいる自国民に避難を勧告。帰国した友人もいた
が、「私には関係なかった。ここに生きている人を助けたい。思いを分かち合いたい。こ
れからも一生」

                                  (寺島英弥)

写真:高橋八百屋の片付けを若い仲間と手伝うカルビンさん(左から2人目)、ルカさん
   (左から3人目)=4月28日、石巻市渡波地区
   *編集部注:写真右の黄緑色のTシャツ姿が高橋俊一氏



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