日本は毎年「サイバーセキュリティ月間」を設け、本年も2月1日から3月18日までをサイバーセキュリティ月間として、産・学・官・民が連携して、様々な普及啓発活動を実施している。そのさ中のインタビュー掲載だった。
日本のサイバーセキュリティ戦略本部長は菅義偉・内閣官房長官だが、反応は鈍かった。3月8日午後の記者会見でようやく蔡英文総統のインタビューについて政府の対応を質す問いに「1972年の日中共同声明にあるとおり、日本と台湾との間では、非政府間の実務関係を維持していくのが日本政府の立場であります。そうした発言は承知しておりますが、いずれにしても政府としては、いま申し上げた立場に基づいて適切に対応してゆきたい」と答えた。
また、台湾との友好関係についての質問には「友好関係を継続していくのは当然のことです」と答えた。
河野太郎外相も8日の記者会見で、菅官房長官と符節を合わせるように「日本と台湾との関係は非政府間の実務関係を維持していくというので一貫している。この立場に基づいて適切に対応してまいりたい」と述べている。
官房長官も外相も台湾との安全保障対話には直接触れず、公式見解以上の発言はなかったが、どうも奥歯にものがはさまったように歯切れが悪い。中国との関係を慮っているのかもしれない。
米国では、蔡英文相当を上下両院そろった連邦議会で講演させようという案も出ている。それに比して、日本の国会議員からはなんの声も挙がらないどころか、安全保障問題やサイバー攻撃に関して日本政府と対話したいと表明したことに、国会会期中にもかかわらず、政府に質すという動きも残念ながら見られないようだ。
◆動画:菅義偉・官房長官記者会見(3分15秒〜4分19秒) https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201903/8_p.html