大阪の二二八記念台湾問題講演会は定員オーバーの大盛況

2月28日、本会は大阪・阿倍野区の阿倍野市民学習センターにおいて、西村眞悟・衆院
議員と阮美[女朱]さんを講師に「二二八記念台湾問題講演会」を開催した。

 事前申込者が120名を超えていたのでほぼ満席になることは予想されたが、当日参加者
は予想以上に多く、定員の150名を超えて170名ほどになり、スタッフは補助椅子を並べる
のに追われた。京都、兵庫、奈良といった近県はもとより、岐阜、愛知、三重、岡山、そ
して東京からの参加者も少なくなかった。

 冒頭、八田與一を描いたアニメ映画「パッテンライ!!」と、日本人女性と台湾人男性と
のラブロマンスを描いて空前のヒットとなった映画「海角七号」のダイジェスト版が上映
されて雰囲気がまとまったところで、片木裕一理事の司会によって講演会が開始。

 開会挨拶は柚原正敬常務理事・事務局長。228事件の意義、外登証問題の現況、日本
李登輝友の会について簡略に説明したが、東京でこの日の午後に行われた「228台湾防
衛デモ」に200名以上が参加したことや、デモのポスター案なども紹介した。

 いよいよ西村眞悟議員の登壇。「台湾は日本の生命線」と題した西村議員の講演は、2
28事件について、当時の台湾は国際法的にはいまだに日本領であったことから、国民党
軍という進駐軍に日本人が虐殺された事件であったと指摘するなど、鋭い分析に満堂の聴
衆は聞き入った。

 話し始めて10分ほど経ったとき、来賓の大江康弘・参院議員が遅れて到着。和歌山県の
新宮から4時間かけて駆けつけていただいたそうだ。すると、西村議員が立ったまま大江
議員に場を譲り大江議員が挨拶し始めた。同じ改革クラブの同志とはいえ、講演を中断し
て来賓挨拶という光景はめったに見られない珍事だったが、5分ほどの挨拶で大江議員は
尖閣と日米安保条約の関係や馬英九政権の中国接近を憂慮していることなどを話した。そ
して「大阪の皆さん、憂国の士、国士、西村眞悟先生をよろしくお願いします」と締めく
くった。

 引き続き西村議員が話し始め、今度は馬英九氏が「台湾は独立しない」「尖閣は中華民
国領」と言ったことに対して、馬氏と会談したときに直接質したことを紹介。「では、台
湾はどこから独立するのか」「尖閣は明白に日本の領土」と言ったところ、馬氏は答えに
窮して押し黙ってしまったという。

 また、1807年のデンマーク艦隊引渡し請求事件などを事例に自衛権の行使とはいかなる
ものかについても述べ、日本を守り台湾を守る道は海軍と空軍力をつけることと核抑止力
を持つことと喝破した。

 ここでいったん休憩としたが、この時を利用して映画「台湾人生」(「逍遥日記」解題)
を上映。短いながらも日本語世代が訴える日本への思いに打たれる。

 引き続き、尊父の阮朝日(げん・ちょうじつ)氏を228事件で喪い、日本でも李登輝
元総統の序文を付して『二二八事件の真実』を出版している阮美[女朱] (げん・みす)
さんが登壇。「台湾二二八の真実」と題した阮さんの講演では、228事件では日本人も
30人ほど犠牲になっていることや、尊父が犠牲になった理由を探し当てるまでに45年もか
かった経緯などを話したが、途中で涙声になり、会場には咳払いひとつ聞こえなかった。

 最後に、出席した滋賀県支部の竹市敬二支部長と岐阜県の村上俊英支部長が紹介、また
スタッフが紹介され、大阪府にも近々日本李登輝友の会の支部が設立されることになると
説明。本会理事として村上支部長が閉会の挨拶を行い、盛会裡に終了した。

 ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。この講演会をDVD化する予定もあ
りますので、そのときはまたご案内いたします。             (編集部)