発表した平成23年度の「高等学校等における国際交流等の状況について」で初めてその実
態が明らかにされている。
すでに本誌でお伝えしたように、文部科学省は今年4月に発表した同統計では台湾を統計
からはずし、中国に合算して渡航者数を2万2千人とし、米国の2万6千人に次ぐ2位としてい
た。ところが、本会が訂正を求め、木原稔・衆議院議員の指摘を受け、これまで通り台湾
と中国を分けて再調査してみると、なんと台湾が1万2千人、中国は9千人と逆転していたこ
とが判明した。
この文科省の姑息な調査に、下村博文・文科相も「ミスでは済まされない」と不快感を
あらわにした。しかし、さらに不快感を増幅させるようなことが台湾への修学旅行で起こ
っていた。埼玉県の朝霞高校(東山修二校長)の担当教諭が、こともあろうに控訴審で敗
訴したあのNHK「JAPANデビュー」を台湾修学旅行の事前学習に使っていたという
のだ。生徒の中には「台湾に行くのが怖くなった」と訴える生徒もいたという。産経新聞
が伝えているので下記にご紹介したい。
事前学習の教材に何を使おうと、それは高校側の判断だからよい。記事によれば、担当
教諭は「負の側面を持つ歴史からも学ぶことはある」と嘯(うそぶ)いているという。し
かし、判決が出ていない裁判中の番組を資料として使うのは論外だ。常識で考えても分か
ることだ。
実は、日本の台湾統治を差別と弾圧と論じるものは単行本などでもほとんどない。まし
てや映像では、NHKが放送した「JAPANデビュー」が唯一と言っても過言ではな
い。だから裁判にもなったのだ。
自虐史観礼賛派の担当教諭には格好の資料だったのだろう。しかし、繰り返すが、判決
が出ていない裁判中の番組を資料として使うのは論外だ。資料の善し悪し以前の問題なの
だ。
すでに埼玉県議会でも問題視しているようだが、担当教諭の処罰を含めた埼玉県教育委
員会の適正な指導を強く望みたい。
◆埼玉県立朝霞高等学校
〒351−0015 埼玉県朝霞市幸町3−13−65
TEL:048-465-1010 FAX:048-460-1013
NHKの敗訴番組「JAPANデビュー」教材に台湾修学旅行 埼玉県立高、訂正授業実施へ
【産経新聞:2013年12月6 日】
差別的な表現で台湾の先住民の名誉を傷つけたとして、東京高裁がNHKに賠償を命じ
た番組を、埼玉県立朝霞高校の生徒が昨年と一昨年、台湾への修学旅行の事前学習として
視聴していたことが関係者の話で分かった。担当教諭は「負の側面を持つ歴史からも学ぶ
ことはある」などとしていたが、NHKの敗訴で、同校は生徒らにフォロー授業を行うと
いう。(安岡一成)
問題の番組は平成21年4月に放送されたNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュ
ー」の第1回「アジアの“一等国”」。この中で、台湾の先住民パイワン族の生活状況が
「人間動物園」と表現され名誉を傷つけられたとして、同族や視聴者らがNHKに損害賠
償を求めていた。
東京高裁は11月の控訴審判決で、番組の取材を受けた同族の女性の名誉を傷つけたと認
定。「日本に対して好意的な台湾の人たちに不快な気持ちを生じさせた」などとも指摘し
た。
県立朝霞高校によると、同校では平成23、24年の修学旅行を台湾で実施し、事前学習と
してこの番組を視聴した。その様子は担当教諭によって雑誌にも掲載され、それによる
と、「(日本の植民地支配の実態を突きつけられて)台湾に行くのが怖くなった」と訴え
る生徒もいたという。
担当教諭は「未来に過ちを繰り返さないためにも、負の側面を持つ歴史からも学ぶこと
はたくさんある」などと説明。参考資料として「台湾が親日なのは戦前の日本統治に好意
を持っているからではなく、それを反省し、平和主義を掲げるようになった日本への信頼
からきている」などとした文章を配布した。また、現地の金鉱のあった町の語り部は、
「ここの金(きん)は残らず本土に持っていかれた」などと語ったという。
産経新聞の取材に、同校も5日、これらの教育内容を認めている。その上で同校は「担当
教諭は日本史や世界史の時間に、早急に訂正を含めて改めて指導することを約束してい
る。きちんと対処するはずだ」と話した。
一方、一連の経緯を県議会の一部会派も把握し、問題視している。「親日の人が多い台
湾への修学旅行すら自虐史観教育に利用している」などとして、開会中の今議会で教育委
員会をただす構えだ。