見える。逆に、アメリカとの距離を縮めようとし、アメリカもそれに対して積極的に応えようとし
ているようだ。
アメリカは2月末、台湾の厳徳発・参謀総長を招き、デンプシー統合参謀本部議長や国防総省の
高官らと相次いで会談したという。3月5日付の産経新聞は「会談で米側は台湾が中国軍に対する抑
止力をどう構築するかに関心を示した。米側は一方で、米中の軍事交流について台湾側に理解を求
めたという」と伝えている。
また、その直前の2月20日、民主党の全国委員会は「台湾は活発に発展する民主国家で、すでに
自由で公正な総統選挙を5度にわたって実施している他、開放的で自由、かつ多元的な社会を維持
する、東アジアと世界の模範である」などの理由により、「人道支援、公衆衛生、環境保護のいず
れの上でも台湾は米国のパートナー」と称える決議を採択している。
さらに、昨年12月に国務省の外交使節団室はアルファベットの「E」から始まる外交官用ナン
バープレートを増設することを発表し、2月になって「Eナンバー」が台湾駐米代表処の公用車の
外交官用ナンバーに割り振られた。
一方、馬英九政権は、台湾大学など6校が中国から研究者を招待した際、入国申請とは異なる内
容の活動を許していたとして半年間の交流停止処分を言い渡したという。沖縄の「琉球新報」がそ
のことを伝えているので、下記に紹介したい。
今後は中国からの交換留学生の不法滞在にも厳しく対処するというのだから、これまでの対中融
和政策からすれば、晴天の霹靂とも言うべき真逆の対応だ。中国融和政策に異変が起こっているよ
うに見え、風向きが変わってきたようだ。今後に注目してゆきたい。
台湾当局、中国との交流停止
【琉球新報:2015年3月9日】
台湾の内政部移民署は先日、台湾大学など6校が学術交流目的で中国から研究者を招待した際、
入国申請とは異なる内容の活動を許していたとして、半年間の交流停止処分を言い渡した。今後、
交換留学生の不法滞在にも厳しく対処する。
今回違法と判断されたのは、行程の変更が未届けだったケースと滞在期間を過ぎても滞在を続け
させたケース。
今後は学術交流のために招待した人数が全員そろわなかった場合や、帰国が台風で延びた場合に
も大学の責任が問われる。
近年、中国と積極的に学術交流や交換留学を行ってきた台湾の大学にとって、今回の処分の衝撃
は大きく、6校は処分緩和を求める要請を出している。他名義での招待に切り替えることも検討し
ているが、大学側は今後の活動に大きな影響が出ると危惧している。