れた100周年記念展について、映画プロデューサーの小坂史子(おさか・ふみこ)さんが
「台湾博物館の日本人追う」という一文を寄稿し、なぜ台湾博物館は日本人学者の業績を
公平に評価したのかについても触れていると書いた。
今回のNHKの「JAPANデビュー」問題にも関わることなので、ご紹介したい。
この台湾博物館は台北駅近く、「228記念館」の敷地内にある丸いドーム型の建物だ。
博物館の前には第7代総督の明石元二郎のお墓に建立されていた鳥居と第3代総督の乃木稀
典のご母堂墓所に建立されていた鳥居が移設され、説明版も設置されている。博物館は当
初、「児玉総督後藤民政長官記念館」という名称で設立され、1908年に台湾総督府博物館
と改称している(詳しくは片倉佳史著『台湾に生きている「日本」』参照)。
この博物館で昨年5月から11月にかけて百周年記念展が開かれ、私も10月に見学した。
展示は、初代館長でマリモ発見者にして「毬藻」命名者の川上瀧彌(かわかみ・たきや)
の業績紹介に始まり、昆虫学の素木得一(しらき・とくいち)、動物学の堀川安市(ほり
かわ・やすいち)、漢学に精通したジャーナリストの尾崎秀真(おざき・ほつま)、人類
学者の森丑之助(もり・うしのすけ)など、日本では一般にほとんど知られていない研究
者の業績を展示していた。
この記念展の標本や遺品の展示に協力したのが、15年ほど台湾に住む映画プロデューサ
ーの小坂史子さんだった。小坂さんは「乏しい資料を頼りに、私は九州から東京まで遺族
を訪ね歩き、スケッチや手紙、写真などを拝借。八人を記念展にお招きした」という。
台湾でこれら日本人学者がいかに活躍したかを記念展は高く評価しているので、「馬英
九政権になって、このような展示が行われるなんて……」といささか不可解な思いを抱き
つつ展示を見たが、この陰に小坂さんのようなご尽力があったとは露知らなかった。
小坂さんも似たような疑問を抱いたようで、「不平等な植民地時代の日本人学者の業績
を台湾博物館は公平に評価した。なぜだろう」と思ったという。そこで、台湾の昆虫学者
の朱耀沂氏の発言を紹介している。
「彼らの仕事は支配者である日本の国策に沿っていた。しかし彼ら自身は台湾に骨を埋
めようとした人たちだった」
日本人学者が国策に沿っていたかどうかは詳らかではないが、台湾の人々が「台湾に骨
を埋めようとした人たち」、つまり日本人学者の多くは台湾を終焉の地と定めて粉骨砕身
していた心意気を十分理解していたということだ。
台湾弾圧史観とも言えるNHKの「JAPANデビュー」の捉え方とはかなり懸隔のあ
る、台湾人自身の日本観である。これが台湾人の誠実さである。この誠実さをNHKは歪
めたのだ。糾弾されてしかるべきであろう。
(メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原 正敬)
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