咲きますが、満開を迎えたそうです。中央通信社が新北市農業局提供の写真とともに伝えています
ので、下記にご紹介します。
台湾の人々が「ヤマザクラ」と呼んでいる桜は寒緋桜(かんひざくら)。台湾原産の桜です。早
咲きの桜で、1月初旬から2月上旬にかけて開花し、釣り鐘状の花が下向きに咲くのが特徴です。
実は、本会が台湾に寄贈している河津桜は、この寒緋桜と大島桜の交配種だと言われています。
花は染井吉野に似ていますが、染井吉野より少し大きく、ピンク色がやや濃いのが特徴です。もっ
とも違うのは1ヵ月ほど咲き続けるところで、寒緋桜の特徴をしっかり受け継いでいます。
実際、台湾に植えてみて分かったことですが、河津桜は根付きがいいのです。桜は染井吉野に限
らず、繊細な植物ですから、幼木のうちは水は欲しがるものの、水捌けがよくないとすぐ枯れてし
まったり、風に弱かったりします。犬のオシッコも大敵です。暑すぎてもダメです。
もちろん、河津桜も同じように繊細なのですが、それでも暖かい静岡県河津町を原産地としてい
ますので暑さには強かったようで、熱帯の台南や高雄でも、亜熱帯の台北や新竹でも、台湾の大地
にしっかりと根付いています。
台湾のヤマザクラが咲くのとほぼ同じころに河津桜もほころび始め、濃いワイン色のヤマザクラ
と薄いピンク色の河津桜が競って咲く光景は、本当に美しく見事です。
私ども日本李登輝友の会が台湾に河津桜をお贈りしている所以も、実はここにあります。桜は日
台共栄のシンボルなのです。
蔡焜燦先生が代表をつとめる「台湾歌壇」事務局長の黄教子さんは、日本から台湾に嫁いだ方で
す。ご自身を河津桜に託されたような、次の歌をかつて発表されています。
祖国より贈られ来たる河津さくら紅ほのぼのと花開きをり
日本と台湾結ぶ麗しき河津さくらの花の橋かも
雨かぜも厳しき日差しも耐へませと河津さくらの若木に手を当つ
歳月を経(ふ)りゆくほどに台湾の桜となりて満天に咲け
これよりは桜前線台湾を起点となすと思(も)へばうれしも
河津桜というと、黄教子さんの歌を思い出します。桜前線が台湾から始まるようになることを心
の底から願いつつ、これからも台湾に河津桜を贈り続けます。
台湾北部でヤマザクラ開花 1月下旬から3月には夜桜イベントも
【中央通信社:2015年1月8日】
http://japan.cna.com.tw/news/atra/201501080009.aspx
(新北 8日 中央社)7日から寒気団の勢力が強まり、桃園市新屋では8日朝、最低気温10.7度を
記録する中、すでに春の便りも届いている。台湾北部・新北市農業局は7日、同市山間部の坪林で
ヤマザクラが満開になったと発表した。
1月下旬から3月末にかけて市内各地でヤマザクラのほか、ヤエザクラやソメイヨシノが見頃を迎
えると予想されており、今年は温泉地の烏来で夜桜鑑賞のイベントを初開催する予定。
農業局の廖栄清局長によると、毎年桜を見に訪れる観光客の数は100万人を超えるという。
(王鴻国/編集:名切千絵)