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■日本で自国民を誹謗した「駐日大使」
台湾の駐日大使に相当する馮寄台駐日代表が本国で猛批判を浴びている。産経新聞の経済情報サイト「サンケイビズ」で連載のコラム「台湾外交の舞台裏」のなかで、台湾人を侮辱したとの理由でだ。
問題のコラムは七月十四日に掲載された。この日のタイトルは「似て非なるデモ」。
それは馮寄台氏が陳水扁総統に伴い米国に立ち寄った時の話で始まる。何でも現地で「共産中国」支持者と「台湾」支持者のデモが対峙するのを目撃したが、両陣営とも警察の指示に従い、整然としていたとか。感心した馮寄台氏は、そこで「今日の台湾」に言及し、こう書くのだ。
―――デモで民衆は規則を守ろうとしない。だから警察は警官を大量動員し、ローマ軍団のように、人の壁で群衆を阻止する。だが、民衆は公権力を無視し、ともすれば、警察官に卵や石を投げつけ、棍棒で殴りかかることもある。最大の被害者は最前線に立つ若い警官だろう。
■日本人なら思い出す小沢一郎の韓国講演
そしてさらには次のようなことも
――― 一方、中国では、真逆の“極端”がある。テレビでは、北京の天安門広場でデモを企てるような怪しげな動作を少しでもすると、公安警察が飛び出してきて、殴ったりけったりする様子が見られる。
―――台湾のデモは、やりたい放題で、公権力は形をなしていない。中国ではデモは根本から許されておらず、“民主”が不在だ。けれども、中国人も台湾人も、アメリカへ行けば誰もが規則を守り、よい公民となる。そしてみなが公権力を尊重し、民主主義を享受しているのだ。
日本国民なら、これを読んで思い出すのは小沢一郎氏ではないだろうか。彼は昨年、韓国での講演で「日本人は自分で勉強し、判断し、責任を負うと言う自立心が最も足りない」と、外国人の前で平然と自国民を中傷していた。
■台湾人の上に君臨したい「高級外省人」意識か
一方、台湾国民が想起したのは「高級外省人」事件だ。
それは昨年三月、カナダ駐在の郭冠英と言う外交官が偽名を使い、外省人である自身を「高級外省人」と誇り、台湾人を「台巴子」(上海語で「台湾の田舎者」)、「倭寇」(親日野郎)などと蔑み、あるいは二・二八事件は中華民国の「仁政に乗じて倭寇が起こした反乱」とし、蒋介石らの「戒厳令は台湾を安定の中で発展させた徳政だ」などとする文章を公表していたことが発覚し、囂々の非難を浴びて職を去ったと言うものだ。
郭冠英氏は外省人が台湾人の上に君臨していた時代の意識を、そのまま引きずっていると非難されたわけだが、馮寄台氏も外省人であるため、「高級外省人の再来か」となるわけだ。
十六日には立法院(国会)で民進党の議員が「台湾を侮辱した」と、外交部(外務省)に馮寄台氏の即時免職を要求した。
「高級外省人」事件でも先頭に立って非難した管碧玲議員は、「馮寄台氏は日本で台湾人民を侮辱した外交官。内心で台湾人を馬鹿にしており、それが実際行動となって出た」と批判した。
■「中国批判だ」とする子供染みた外交部の釈明
これに対して外交部は「文章は〇一年に台湾紙に発表し、著書の『他比総統先到』に収録された。日本に着任後、それを産経の記者に贈ったところ、関心を持たれ、内容の一部がサンケイビズに連載されることになった。故意に投稿したものではない」と弁護した。
そして「内容は風刺の手法で中国の反民主を批判したものであり、台湾人を批判したものではない」とも言っているが、これに至っては嘘だろう。
楊進添外交部長も「文章は九年前に書いたもの。国外の状況に照らし、民主主義の素養を学ぶよう国民を励ましたものだ。驚くに値しない」と説明している。
だがそれに納得できない管碧玲氏は「転載されたものであれ、投稿したものであれ同じことだ。たとえいつ書いたものであっても、現職の駐日代表の投稿と言うことになる」と反論した。
もっともなことである。外交部の釈明は子供染みている。
■もしやかつての民主化要求デモへの批判か
ところで、馮寄台氏が指摘する「公権力を無視」した台湾人のデモとは、いったいいつどこのデモを指すのだろうか。
台湾では数十万人規模のものを含め、デモというものは盛んに行われているが、それほど理性が失われたデモは滅多にお目にかかれない。
たしかに〇四年三月の総統選で政権奪還に失敗した国民党の支持者たちが、総統府前を占拠するなど各地で「公権力を無視した」騒乱を引き起こした。台湾人政権(民主党政権)に対する外省人の憎悪がむき出しにされたものだったが、しかしそれはこの文章が書かれる何年も後のことだ。
文章がかかれる前に発生した激しいデモとなると、七九年に見られたデモの群集と治安部隊の衝突時件(美麗島事件)や、それから頻発する官民抗争を指すのだろうか。
それであるとしたら、デモに参加した台湾人の民衆を「反民主」と呼ぶのはあまりに横暴すぎる。なぜなら彼らはたいてい、戒厳令下で台湾人の自由を圧殺し続ける国民党政権に対し、民主主義を要求した人々だからである。
当時「公権力」は国民党に私物化されていた。それをたかだか批判しただけで、一体何人が投獄されたことか。
万が一、馮寄台氏が国民政権の権力に従順な者だけを「よい公民」と位置づけているなら、それはかつての恐怖政治を是認しかねない「高級外省人」意識の持ち主と言うことになるだろう。
■日本のメディアで台湾人批判を繰り返す
馮寄台氏がどのデモを指しているのかを書かないのは、少し無責任だ。たしかに近年、流血を呼ぶ暴力デモは見られたが、あれは反国民党の台湾人を外省人たちが襲撃したものとされており、台湾人のデモの場合は特殊な状況下ではないかぎり、とても平和的なのだ。
実際に台湾人は他国民と比べても、遵法の精神を持って法治社会を支えていると言う意味で、「よい公民」と言えよう。少なくとも馮寄台氏の一文から受ける印象とは程遠いものがある。
だから馮寄台氏は、不必要な誤解を日本人に与える文章の掲載を許してしまったとは言えるだろう。
このようなことは良好な日台関係を維持する上で大きな障害となる。
幸い、日本でこの文章はほとんど話題になっていないようだ。しかし今回は損害は小さかったとしても、馮寄台氏が着任して以来、日本の新聞や雑誌への投稿を通じ、やはり台湾人侮辱としか取れない言論を展開していることは有名な事実である。
■前王朝を徹底否定する中国人のDNA
たとえば毎日新聞(六月三日)に掲載の「馬総統の路線に理解を」の一文だが、それは次のように「日本で馬総統が中国に傾斜していると認識されることが多いが、これは間違いだ」と訴えるものだった。
―――馬政府は台湾人の中国における権益を保障するため、実務的な姿勢で臨み、「親中」でも「反中」でもない「和中」(中国との平和共存)の路線を歩もうとしていることを理解してほしい。
―――馬総統が掲げる「統一せず、独立せず、武力行使せず」の両岸政策は、60年あまりにわたる台湾海峡の緊張関係を解き、東アジア地域の平和と安定をもたらした。こうした姿勢に日本の各界からの支持が得られるよう、願っている。
このように馮寄台氏は、国民党の馬英九政権の「中国傾斜」に対する日本人の反発を解消すべく投稿を繰り返しているのだが、そこでしばしば付け加えるのが、民進党の前政権に対する批判なのである。
この一文にも、こうある。
―――台湾と中国は過去60年間にわたり激しく対立し、統一か独立かの問題を解決できないばかりか、双方の憎しみを深めてきた。過去8年間の民進党政権は、より一層の反中政策をとり、全面的に両岸の相互交流を阻止してきた。
―――民進党前政権時代の8年間の反中「鎖国」政策は完全に失敗し、一層台湾人は経済・貿易上で中国に大きく依存するようになった。
「鎖国」などと書けば、何も知らない日本人に大きな誤解を与えることは必至だ。このように前王朝を徹底的に否定したがるのは、中国人のDNAによるのかどうかは知らないが、日本においてそこまで極端に自国民批判を繰り返すのは見苦しい。
■日本人は単なる政敵批判とは受け取らない
そもそも民進党が「反中」であった原因は、中国の脅威があってこそのものであるが、馮寄台氏はなぜそのことには触れないのか。だから馮寄台氏の民進党批判は単なる政敵への批判にとどまらない、「反台湾・親中国」に基づく台湾人への誹謗と受け止められているのである。
だいたい日本人はそれほど馬鹿ではない。国民党政権が「統一せず、独立せず、武力行使せず」と言った政策を強調したところで、そのようなものは中国の軍事的脅威の前での無為無策の卑怯な投降姿勢としか受け取れないのだ。
台湾を支持する日本人の多くは民進党政権に好感を抱いてきた。そのため国民党が民進党誹謗の対日宣伝に力を入れたがっているのは事実だ。だが国民党が知らなければならないのは、なぜ日本人は国民党ではなく民進党を応援したがるかの理由である。
それは基本的に、民進党の方が「台湾人の台湾」を発展させようとしていたからだ。中国の統一攻勢に必至に抵抗する健気さも、多くの心を打っていた。
馮寄台氏は前政権時代の駐日代表と異なり、日本人との関係構築に難渋しているとも聞くが、それは台湾及び台湾人に対する愛情が欠如していると思われているからではないのか。
少なくとも馬英九政権の「和中」路線などを宣伝している限り、これまで台湾を支持してきた日本人からは「台湾を守り抜く意志なし」と看做されるばかりだ。
馮寄台氏は日本の各方面に自身の投稿記事のコピーをしきりに配布しているようだが、それが恥の上塗りになっていることにも気がついた方がいい。
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