台湾の詩人・李敏勇氏の「南国の祈り」を絵本作家のときたひろし氏が邦訳

この詩を歌う台湾の女性歌手をイメージして翻訳

 台湾に、言論の自由や政党結成の自由を求め、台湾の独立を求めて焼身自決した鄭南榕
(てい・なんよう)烈士がいた。本会も加わる鄭南榕顕彰会(宗像隆幸会長)は平成17年
(2005年)から毎年、自決した4月7日の前に偲ぶ会を催し、今年も去る4月2日に鄭南榕記
念・台湾問題講演会として開催した。

 この鄭南榕烈士と同い年(1947年生まれ)で、鄭南榕基金会の初代理事長を務めた李敏
勇(り・びんゆう)氏は台湾を代表する著名な詩人だ。

 平成19年4月、李敏勇氏は夫人を伴い、鄭烈士夫人で行政院副院長(副首相に相当)や高
雄市代理市長をつとめた葉菊蘭(よう・きくらん)さんや邱晃泉(きゅう・こうせん)・
鄭南榕基金会理事長とともに来日、第3回鄭南榕先生を偲ぶ会に臨み「自由への道、そして
台湾の魂」と題して講演いただいた。

 今般の東日本大震災にあたり、李敏勇氏からは本会の柚原正敬事務局長宛にお見舞いの
葉書をいただいている。いつもの青いインクの万年筆で、いささか癖のある字で書かれた
葉書は3月18日に書かれ投函されていた。

「地震、津波、原発事故、次々と日本に災難が襲ってきています。あなたや友人の平安を
祈っています。日本人が怖れることなく災難に立ち向かう、その精神に心から感動してい
ます。謹んでお見舞い申し上げます。頑張ってください。李敏勇 2011.3.18」
                                (翻訳:鄭雅文)

 李敏勇氏はまた、3月20日付の台湾紙「自由時報」に「南國的祈祷」と題する詩を発表し
ている。

 この詩を知った絵本作家のときたひろし氏は「私も日本人に対する台湾の皆さんの気持
ちを伝えようと、私なりにこの詩を翻訳」し、ブログ「絵本作家のアトリエ」に「南国の
祈り」としてアップ。ときた氏は、ビビアン・スーさんなど、親日的な台湾の女性歌手に
歌って欲しいとの思いを込めて翻訳したそうだ。下記にご紹介したい。

 李敏勇氏の日本に寄せる思いにあふれる一編の詩が、地震と津波で被災した宮城県石巻
市出身のときた氏の心を潤した。台湾の女性歌手がこの詩を歌えば、多くの日本人の心も
潤すにちがいない。この李敏勇氏の詩にふさわしい歌を歌えるような台湾の歌手の方を知
りませんか?

■ 南國的祈祷──為浩劫中的日本人民(自由時報:2011年3月20日)
  http://www.libertytimes.com.tw/2011/new/mar/20/today-article2.htm

■ 絵本作家のアトリエ(3月21日「南国の祈り」)
  http://ehon.tokitahiroshi.com/?eid=1110837

ときた ひろし(絵本作家)
昭和42年(1967年)宮城県石巻市生まれ。地元高校を卒業して警視庁に奉職。18年間第一
線で勤務。平成15年(2003年)末に退職後、翌年8月、戦車が主人公の絵本『9番目の戦車』
(PHP研究所)を発表。『お父さんへの千羽鶴』(展転社)、『にっこり侍』(モラロジ
ー研究所)、『モンキチ森のポンタの木』(モラロジー研究所)など。


南国の祈り

みなさん、こんにちは。

日本を元気付けようと、世界中のアーティストが、それぞれの天性を生かして応援してく
れています。

http://www.libertytimes.com.tw/2011/new/mar/20/today-article2.htm

こちらでは台湾詩人の李 敏勇さんが、「南国の祈り」を作詩してくれました。

わたしも国を愛する芸術家の一人としてお手伝いできないかと思い、訳してみましたよ。

これ、ビビアン・スーさん、歌ってくれないかな。

そんなイメージで翻訳しました。

南国の祈り    李 敏勇

大海よ
どうか怒りを静めて
あなたが振った袖が
家をなぎ倒し
車を巻き込み
無数の命を連れて行き
返ってくるのは声無き号泣

大地よ
どうかその震えをとめて
あなたが動かした体が
壁を崩し
柱を倒し
道を壊し
残ったのは破滅の風景

大空よ
どうかその風と雪をとめて
あなたが吹かせる冷たさが
道行く人を縮込ませ
うずくまる人を脅かし
傷つけるのは罪なき人の心
描き出したのは青白い影

宮沢賢治の銀河鉄道を
もう一度国に再建しましょう
石川啄木の一握の砂を
もう一度美しい海辺に取り戻しましょう

月に荒れ果てた街を照らさせる黒い夜よ
もう少しだけ星を明るく
木々の頂に一つずつ輝いて
明るいランプにして
一人一人の上に輝き
迷路のような道を照らし
道行く人々を導いて

世界よ
どうか一人一人が
あらゆる角度から
あらゆる方向から
あらゆる街角から
あらゆる国や民族から
受難の大和の民と子に
暖かい手を差し伸べますように

翻訳は以上です。

私の生まれは東北石巻。
小さいころに遊んだ野蒜海岸、石巻、松島のあの風景はもう二度とこの世に現れることは
なく、私もかなりがっくり来ていたのですが、ちょっと元気が出ました。

私に元気を運んでくれたマイミクのみなさん、ありがとう!

元気が出た人からでけっこうです。
となりの人を元気にして、ともに日本を盛り上げましょう。



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