んき)氏も理事の一人だ。本会の「政策提言」を取りまとめている「日米台の安全保障等
に関する研究会」(川村純彦座長)の一員でもある。
昨日発行の「zakzak」の「中韓サヨナラ…世界の親日国」で、藤井氏が李登輝元総統や
蔡焜燦氏を紹介しつつ台湾の親日ぶりを紹介している。
中韓サヨナラ…世界の親日国 台湾の市民たちが評価する“日本精神” 韓国とは正反対
【zakzak:2013年8月27日】
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130827/dms1308270750001-n1.htm
写真:2007年の来日時に靖国神社を参拝した台湾の李登輝元総統。中国、韓国の指導者に
も見習ってほしいものだが…
世界に親日国・地域は多い。中国や韓国のような「反日・嫌日国家」はむしろ例外で、
日本は世界一好かれている国だと言っても過言ではない。アジアをはじめ、中南米やアフ
リカでも日本は大人気なのだ。
数ある親日国・地域の中でも、群を抜いているのが台湾だ。東日本大震災で、台湾から
の義援金は250億円を超え、世界各国で断トツだ。台湾の人口は約2300万人だから、その親
日度がよく分かる。
日本は日清戦争後の下関講和条約で、清朝から台湾を譲り受け、1945年の敗戦まで約50
年間にわたり台湾を統治した。この50年の統治は台湾近代化の基礎を築き、戦後も台湾人
から高い評価を受けている。
日本語世代の代表的親日家が、誰あろう李登輝(り・とうき)元総統だ。私は、李元総
統と3回お会いする機会に恵まれた。京都帝大卒で元帝国陸軍少尉の李元総統は、国民党独
裁政治を民主化した偉大な政治家だが、気さくな人柄で、今まで2万人以上の日本人と会談
している。
李元総統は「日本よ強くなれ!」と激励の言葉を日本人に送り続けてくれている。「台
湾と日本は運命共同体」というのが口癖だ。李元総統はまた、戦死して靖国神社に祭られ
ている兄君の慰霊のために、靖国に参詣されている。靖国神社に祭られている台湾出身の
英霊は約3万柱という。
台湾人の親日感情を最も率直に表した素晴らしい本が、やはり日本語世代の実業家であ
る蔡焜燦(さい・こんさん)氏が書いた「台湾人と日本精神」(小学館)だ。日本精神は
リップンチェンシンと発音する。勤勉・正直・順法精神・義理人情に厚いなど、すべて良
いことは、この“日本精神”という言葉で表されるという。蔡氏は陸軍の少年飛行兵だっ
た。
戦前の日本は、台湾よりも朝鮮統治に力を入れた。にも関わらず、台湾人は日本の台湾
統治を高く評価してくれている。
それを代表するのが日本の水利技術者、八田與一(はった・よいち)の造った「嘉南大
●(=土へんに川)(かなんたいしゅう)」という、台湾南部の嘉南平野を潤す、巨大な
烏山頭ダムと潅漑(かんがい)工事だ。
現在の馬英九(ば・えいきゅう)総裁は、戦後台湾を占領した蒋介石(しょう・かいせ
き)一派の末裔で「台湾人意識が弱く、中国人意識が強い」といわれるが、八田の功績を
たたえており、台湾の教科書にも「恩人」として登場する。
戦時中、神奈川県の高座(現在の座間市、大和市など)に、海軍の兵器工場(高座海軍
工廠)があり、ここで台湾出身の10代前半の若者たち約8400人が勤労奉仕をしていた。彼
らは台湾に帰国後も「台湾高座会」という同窓会を作り、日本に感謝し、若き日の苦労を
懐かしんでいる。
南北朝鮮とは、何という違いであろうか。韓国だったら「強制連行」事件になっていっ
ていたところだろう。
■藤井厳喜(ふじい・げんき)
国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院
で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員
などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学な
どで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。近著に「米中新冷戦、どうする日本」(P
HP研究所)、「アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門」(幻冬舎
新書)。