台湾で「歴史教育」見直しの動き

公務員採用試験で「本国史」を廃止し、高校の歴史教育で台湾史を重視

 昨日のメールマガジン「台湾の声」で、台湾の教育部長(文部科学大臣に相当)
が、2006年から台湾の高校生の歴史教育を変更して、これまで台湾史1:中国史
2:世界史1だった配分を、台湾史1:中国史1:世界史1と改める方針を明ら
かにしたことが掲載されました。
 本日の産経新聞でもこのことについて報道していて、さらに、公務員登用を管
轄する考試院(姚嘉文院長)が試験制度を改め、来年の1月の公務員採用試験よ
り「本国史」を廃止することを内定した、と伝えています。
 日本でも平成8年(1996年)、すべての中学校の歴史教科書にいわゆる「従軍
慰安婦」記述が登場したことをきっかけに自虐史観を改めようという動きが起こ
り、それが翌年の「新しい歴史教科書をつくる会」(当時:西尾幹二会長、現在
:八木秀次会長)の発足となります。
 その点で、日本と台湾は抱えている問題がよく似ています。日本では、それま
での歪んだ歴史認識を正そうとする「歴史認識問題」として現れ、台湾では、中
華意識を脱して台湾人としてのアイデンティティを高めようとする、李登輝前総
統を中心に推進する「台湾正名運動」や「台湾人アイデンティティの高揚運動」
として現れています。いかに自国に誇りを持つかということでは、まったく瓜二
つといっても過言ではありません。
 因みに、昨年12月21日、本会では考試院の姚嘉文院長を招いて「日台交流講演
会」を開催し、このときすでに姚嘉文院長は公務員試験から「本国史」を廃止す
る方向を示唆されていました。                 (編集部)


 <台湾の声ニュース> 2004.10.19

 高校歴史:台湾史の比率を強化

 杜正勝・教育部長は、18日の立法院の質問で、今後、高校の教育課程で、歴史
科の台湾史、中国史、世界史の比率を1:1:1とし、2006年度から新課程を実
施したいという方針を明らかにした。
 これまで台湾の高校歴史科の比率は、台湾史1:中国史2:世界史1で、中国
史が大きな比率で占められていた。そこで、台湾団結連盟の程振隆議員が高校歴
史課程を台湾史、アジア史、世界史をそれぞれ1:1:1に調整すべきだと主張
した。
 2006年からの新課程では、高校1年前期で台湾史、高校1年後期で中国史、高
校2年生は前期と後期で世界史、高校3年生は中国文化史と世界文化史を学ぶカ
リキュラムとなっている。
 杜教育部長は、世界史は2学期ぶんあるが、世界史では台湾、アジアの観点か
ら世界を眺めるので、世界史の内容も台湾史、中国史と世界史の比率は1:1に
近いものになることを説明した。

『台湾の声』  http://www.emaga.com/info/3407.html
『日本之声』  http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe  (Big5漢文)


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