昨日の本誌で台湾の統一地方選挙について記し、最後に「長らく中国国民党の地盤だった台中市
の市長選でも、林佳龍(民進党所属の立法委員)候補が現職市長の胡志強(中国国民党所属)候補
の支持率を上回っている」書いた。
の市長選でも、林佳龍(民進党所属の立法委員)候補が現職市長の胡志強(中国国民党所属)候補
の支持率を上回っている」書いた。
その支持率の数字を記さなかったが、中国国民党系の「聯合報」が10月24日に行った世論調査
(1092人)によれば、林佳龍候補が45%、胡志強候補が29%だった。民進党系の自由時報が発表し
た10月10日付の調査でも、林候補が42.37%、胡候補が24.76%で、いずれも胡候補が劣勢に立たさ
れている。
2010年11月27日に投開票された前回選挙は、台中市と台中県が合併して行政院直轄の台中市とな
るときの選挙で、台中市長だった胡志強候補と民進党の蘇嘉全候補が戦った。結果は胡候補が73万
284票(51.12%)、蘇候補が69万8,358票(48.88%)となり、蘇候補が追い上げたものの、約3万
票の僅差で胡候補が逃げ切っている。
このときの中國時報の世論調査(2010年9月20日発表)では、胡候補が40.5%、蘇候補が34.7%
だった。聯合報(2010年11月1日発表)の調査でも胡候補が49%、蘇候補が31%と、胡候補の支持
率が上回っていた。
今回の市長選では、林佳龍候補の支持率が上回っている。林候補は李登輝元総統のときの野百合
学生運動の出身。環状線と東西線を組み合わせることで、漢字の「日」の形の捷運網を建設する
「大台中の日の出、幸福の山手線」をスローガンにするなど話題も多い。
一方の胡候補は現職の強みはあるものの、2001年に旧台中市の市長に就いて以来13年、多選批判
と世代交代を求める声が高い。追い上げムードはない。世論調査どおりの結果となる公算が高い。