厳かに故南部利昭宮司の靖国神社葬

小泉純一郎元首相や安倍晋三元首相も参列

 昨日、東京千代田区・九段会館大ホールにおいて、去る1月7日に急逝された靖国神社の
南部利昭宮司の靖国神社葬が斎行され、約1200名入る大ホールはほぼ満席となった。小泉
純一郎元首相、安倍晋三元首相をはじめ政財界の重鎮はじめ、国学院の大原康男教授や歌
手のつのだひろ氏なども参列し、本会関係者の姿も見られた。

 壇上の祭壇には南部宮司の遺影が白菊の垣根の上に据えられ、靖国神社や神宮司庁、霞
会館など10本の大真榊が飾られている中、靖国神社崇敬者総代として小田村四郎・本会会
長を先頭に、北白川道久氏(霞会館理事長)、尾辻久秀氏(古賀誠・日本遺族会会長代
理)、喪主で御令室の南部節子様、山口建史氏(靖国神社権宮司)が壇上に参進したのに
続いて、斎主の三井勝生権宮司と祭員が壇上に参進し、神道儀式による神葬祭が始まった。

 弔辞は小田村、北白川、古賀(代理・尾辻)の3氏が述べられた。中でも小田村総代は
南部氏が靖国神社宮司への就任を決めかねていたとき、今上陛下から直々に「靖国神社の
ことをよろしく頼みます」とのお言葉をいただいたことで宮司就任を決意されたエピソー
ドを紹介するとともに、パール博士顕彰碑を境内に建立された英断を讃え、台湾について
も特段の配慮をされたとして、日本の生命線である台湾を自ら訪問して高砂義勇隊慰霊碑
に参拝されたことや、李登輝元総統の参拝を見届けられたことを「特筆すべきことと」と
讃えられた。

 また、節子夫人は「のんびりと悠然としていた主人がなぜという思いが、1ヵ月たって
もしている」と戸惑いを隠さず、しかしながら「宮司室で亡くなったことは本人にとって
本望、靖国神社は充実した4年4ヶ月だった」「残された私は、1月7日よりのつらい悲しみ
を、今後は試練に代えて頑張ってゆきたい」と挨拶された。

 さらに、神社職員を代表して山口建史権宮司は、南部宮司から受けた薫陶について例を
あげて述べるとともに、忠君愛国の揺るぎない恋闕心を持った方で、伯爵家出身でありな
がら参拝者への謙虚な対応をされるとともに、こよなく酒を愛する方でもあり、「よきに
はからえ」と言われたことを「英霊祭祀に怠りなきように」と解して一層の奉仕に邁進し
たいとの烈々たる挨拶を述べられた。

 続いて、会葬者の玉串拝礼が行われ、小泉元首相や安倍元首相につづいて会葬者全員が
壇上に上がって玉串を捧げて拝礼し、午後2時半過ぎに故南部利昭宮司の靖国神社葬は滞
りなく終った。

 ちなみに、靖国神社には27,864名の台湾出身戦歿者がご祭神としてお祀りされ、南部宮
司さんには、蔡焜燦氏が「台湾少飛会」の会旗を奉納するとのことで平成17年(2005年)
8月10日に昇殿参拝した折や、同19年6月7日の李登輝元総統の参拝、あるいは李登輝学校
日本校友会が毎年12月に開いている「台湾出身戦歿者慰霊祭」などを通じて大変お世話に
なっていた。小田村会長が讃えられたように、私どもが主宰した「天燈の里ツアー」に参
加し、靖国神社宮司として初めて訪台されてもいる。

 下記に、靖国神社葬で会葬者に配布された「南部利昭大人命 神社葬」から南部利昭宮
司の略歴をご紹介して、その勲しを振り返りたい。ここに改めて謹んで哀悼の意を表する
とともにご冥福をお祈り申し上げます。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原 正敬)


南部利昭(なんぶ・としあき)大人命 略歴

 昭和10年9月16日、第44代南部家当主・利英氏の三男として生まれる。学習院の幼稚園
から大学まで常陸宮殿下のご学友の栄に浴す。昭和33年、学習院大学政経学部卒業後、
(株)電通に入社し25年間勤務。昭和55年、南部家第45代当主となり、56年から南部興産
(株)代表取締役を務める。

 平成16年9月11日、靖国神社第9代宮司に就任。爾来、祭祀の厳修・英霊の奉慰顕彰はも
とより、中門鳥居建て替え、社頭神札所改修、御創立140年記念事業として能楽堂及び大
手水舎の改修を行うなど神苑整備に尽力。平成17・18年には小泉首相の参拝を宮司として
見届けたほか、各地で相次ぐ訴訟事実への対応など靖国神社の国家公共性の顕現にも尽瘁
した。平成21年1月7日、享年75(満73歳)を以て帰幽。


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