八田與一に関する名著2冊が改訂版と新版で出版

古川勝三『台湾を愛した日本人』と斎藤充功『日台の架け橋・百年ダムを造った男』

 5月8日の八田與一の命日が近づいている。今年も嘉南農田水利会によって烏山頭ダムの
畔にある八田與一の銅像と夫妻のお墓の前で墓前祭が営まれる。

 八田與一の生涯を描いた嚆矢は、古川勝三(ふるかわ・かつぞう)氏が今からちょうど
20年前の平成元年(1989年)8月に著した『台湾を愛した日本人─八田與一の生涯』(青
葉図書)だった。その8年後の平成9年(1997年)10月に出版されたのが斎藤充功(さいと
う・みちのり)氏の『百年ダムを造った男─土木技師八田與一の生涯』だ。

 いずれも綿密な取材によって、日本人に八田與一が台湾で果たした業績をあますところ
なく伝え、八田が日台の絆を象徴する存在であることを日本人に焼き付けた名著と言って
よい。

 このほど、前著は改訂版として、後著は新版としてほぼ同時に出版された。いずれも初
版が出てから10年以上経っての改訂版であり新版だ。古川氏の改訂版は版元が同じ愛媛県
松山市にある創風社出版変わったが、斎藤氏の新版は同じく時事通信社だ。長い出版不況
が続く中、珍しいと言っていいだろう。八田與一が台湾で果たしたことがいかに偉大だっ
たかの証でもある。

 富山新聞がこのことを伝える中に、斎藤氏が「日本の台湾統治について功罪があるとし
た上で、『少なくとも、八田與一の業績は日本人として誇れるものの一つであることにま
ったく異論はないはずである』と記す」とある。恐らくNHK「JAPANデビュー」の
偏向放送を意識しての書き方であろうが、4月5日放送の「JAPANデビュー」では八田
與一について一切触れていない。NHKの取材を受けた柯徳三氏らが強調しているにもか
かわらず、だ。

 八田與一の命日を目前に、この2著を通じて改めて日本と台湾の深い結びつきを確認し
たい。                                (編集部)

■著者 古川勝三
■書名 改訂版 台湾を愛した日本人─土木技師八田與一の生涯
■体裁 四六判、上製、本文352ページ
■版元 創風社出版 http://www.soufusha.jp/
■定価 2,310円(税込)
■発行 2009年4月

■著者 斎藤充功
■書名 新版 日台の架け橋・百年ダムを造った男
■体裁 四六判、上製、本文264ページ
■版元 時事通信社 http://book.jiji.com/books/publish/p/v/9
■定価 1,890円(税込)
■発行 2009年4月


八田技師ブーム来た 書籍2冊、連続刊行
【5月2日 富山新聞】

 約八十年前、日本統治下の台湾で東洋一の灌漑(かんがい)ダム「烏山頭(うさんとう)
ダム」と水路網の建設に尽力した八田與一(よいち)技師(金沢出身)を描く書籍二冊が
先月、相次いで刊行された。アニメ映画「パッテンライ!!」(八田が来る)=同製作委
員会、北國新聞社、虫プロダクション製作=の公開で八田技師に脚光があたる中、その業
績や人となりを知る上で格好の教科書となりそうだ。

 一冊は創風社出版=愛媛県松山市=発行の「改訂版 台湾を愛した日本人 土木技師八
田與一の生涯」(古川勝三著)。元中学校長で台湾・高雄の日本人学校で勤務経験のある
古川さんは、作業服姿で地面に座る銅像や、日台の区別なく死亡順に名前が刻まれた殉工
碑などの逸話を通し、八田技師の人間像を浮かび上がらせた。

 一九九〇(平成二)年度の土木学会著作賞を受けた旧版に加筆したもので、古川さんは
あとがきで「今日の日本人に求められる資質は、八田技師の考え方や生き方の中にある」
と強調する。

 もう一冊は時事通信出版局発行の「日台の架け橋・百年ダムを造った男」(斎藤充功
著)。九七年発行の本の新版で、八田技師の功績が詳細に紹介されている。

 ノンフィクションライターの斎藤さんは、日本の台湾統治について功罪があるとした上
で、「少なくとも、八田與一の業績は日本人として誇れるものの一つであることにまった
く異論はないはずである」と記す。

 「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」(金沢市)の中川外司世話人代表は「アニメが
でき、本も出版されて盛り上がりを感じる。多くの人に八田技師を知ってもらいたい」と
歓迎している。

 問い合わせは創風社出版=089(953)3153=、時事通信出版局=03(35
01)9855=まで。


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