侯孝賢監督作品17本を一挙上映する「ホウ・シャオシェン映画祭」が開催中

9月30日〜10月20日、東京・渋谷「シネマヴェーラ渋谷」にて

「ホウ・シャオシェン映画祭」東京で開幕
【10月2日付 台湾週報】

 台湾映画界の巨匠・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の作品17本を一挙に上映する「
ホウ・シャオシェン映画祭」が9月30日〜10月20日まで、東京渋谷で開催中だ(詳細はこち
らへ)。これは侯監督の最新作「百年の恋歌(原題:最好的時光)」の東京公開に合わせ
て行われているもので、30日の開幕セレモニーには台湾の許世楷・駐日代表と盧千惠・代
表夫人をはじめ朱文清・広報部長、日本の著名な映画評論家・蓮實重彦氏らも出席し、多
くの映画ファンがつめかけた。

 許世楷代表はセレモニーで挨拶し、侯孝賢の代表作「悲情城市」のロケ地・九[人偏+分] は、1989年に同映画が上映されて以来、多くの国内外観光客が訪れる観光名所となってい
ること、また今年行われたアンケート調査で「台湾人がもっとも好きな国」の第一位が「
日本」となり、従来の「米国」を上回ったことなどを挙げ、両国の人々の距離がますます
近くなっている状況を述べた。許代表はそのうえで「映画を通して、台湾に対する理解を
さらに深めてほしい」と観客に呼びかけ、台日交流のさらなる促進に期待を示した。

 また、同映画祭では、日本の作家や映画俳優らによるトークショーも行われており、初
日は日本文学界の重鎮で映画評論家の蓮實重彦・東京大学名誉教授が、ホウシャオシェン
映画の魅力について語った。蓮實氏は「侯孝賢監督は漢字文化圈で映画のタイトルをつけ
るのがもっとも上手い監督である」と述べ、例えば「恋々風塵」や「好男好女」など、侯
監督はよく二つの漢字を繰り返し使っているが、目で見ても耳で聞いてもインパクトがあり、日本映画のタイトルに外来語が好まれるのとはまったく違っていると分析した。

 蓮實氏はさらに、候孝賢監督は「悲情城市の監督」として有名だが、異なる観点からさ
らに新たな魅力を発見することができ、それには監督の初期作品を観るのがよいきっかけ
になると感想を述べた。

 映画祭初日には侯監督の初期作品「恋々風塵」、「ステキな彼女」などに加え、侯監督
が日本での撮影現場のエピソードや小津安二郎監督への思いなどを語った記録映画「Metro
Lumiere 」も上映され、多くの映画ファンが改めてその映像美を楽しんだ。

■シネマヴェーラ渋谷
 東京都渋谷区円山町1−5 Q-AXビル4F
 電話:03-3461-7703
 東急bunkamura前(松濤郵便局前)交差点を円山町方向に約50m
 http://www.cinemavera.com/theater.html

■トークショー
 10月 7日(土) 17:55〜 中原昌也氏(作家)、上野昂志氏(映画評論家)
 10月14日(土) 17:20〜 羽田美智子氏(女優)、市山尚三氏(プロデューサー)、宇
             田川幸洋氏(映画評論家)


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