中華民国籍を放棄しても蓮舫議員の国籍問題はまだ終わらない

報道されているように、民進党代表代行の蓮舫・参議院議員は昨日、日本国籍取得後も中華民国
籍が残っていたことを認めた。

 読売新聞は今朝の社説で「国会議員が自らの国籍を正確に把握できていないとは、あまりにお粗
末」「外交・安全保障などの国益を担う国会議員が、自身の国籍を曖昧にしておくことは論外」と
手厳しく批判した(下記)。

 蓮舫議員は昨日、前原誠司議員、玉木雄一郎議員の2人の代表候補とともにテレビ番組に生出演
し「『あらためて籍を抜く作業をしているので、この手続きが終わったらこの問題は終わります』
と述べた」(スポニチアネックス)と報じられている。

 しかし、まだこの問題は終わりではない。なぜなら、いまだに蓮舫議員は事実誤認を含む自らの
問題発言を訂正していないからだ。

 まず、国籍がいつから「中国」と表記されるようになったかの発言である。

 例えば、朝日新聞台北支局長をつとめたジャーナリストの野嶋剛氏がインタビュアーをつとめた
Yahoo!ニュース編集部の単独インタビューで、蓮舫議員は「(日本と中華民国が断交した)1972年
以降は、国籍の表記としては『中国籍』となっていました」と答えている。

 しかし、日本の国籍で台湾(中華民国)出身者が「中国」と表記されるようになったのは「(日
本と中華民国が断交した)1972年以降」ではない。1952年(昭和27年)4月28日以降だ。

 この日、日本は華民国と「日華平和条約」に署名し、この7時間半後にサンフランシスコ講和条
約が発効する。また同時に日本は、「外国人登録令」(昭和22年公布・施行)を廃止して「外国人
登録法」を制定し、台湾出身者を中華民国(中国)の国民とみなして国籍を「中国」と表記するよ
うになった。

 1969年6月以降は、中華人民共和国出身者も「中国」と表記されるようになり、現在に至ってい
る。1972年の日本と中華民国の断交は、戸籍表記となんら関係ない。蓮舫議員の事実誤認と言って
よい。

 次は、「(日本と中華民国が断交した)1972年以降、私の国籍は形式上『中国』。中国の国内法
では外国籍を取得した者は自動的に(中国籍を)喪失をしているので、二重国籍にはならない」と
述べていたことだ。

 いったい蓮舫議員の言う「中国」とはどこなのだろう。中華民国なのか中華人民共和国なのか。

 昨日の時事通信は「台湾の『国籍法』は、台湾籍を放棄するには台湾当局の許可を必要としてい
るが、蓮舫氏はこの手続きを取っていなかった。一方、中国の国籍法は、外国籍取得の時点で自動
的に中国籍を失うと定めており、中国の法律に従えば二重国籍の問題は生じない」と報じている。

 つまり、蓮舫議員の言う「中国」とは中華人民共和国を指しているのは明らかだ。台湾出身者に
は中華人民共和国の法律が適用されると発言したことになる。しかし蓮舫議員は、それにもかかわ
らず台湾の代表処において「中華民国」籍を放棄する手続きを取っている。自動的に「中国」籍を
喪失するという認識なら、なぜ中華民国籍放棄の手続きを取ったのか。単なる「念のため」だったとは思えない。

 だから、「私の国籍は形式上『中国』。中国の国内法では外国籍を取得した者は自動的に(中国
籍を)喪失をしているので、二重国籍にはならない」という発言は、「私の国籍は『中国』。中華
民国の『国籍法』は、中華民国籍を放棄するには中華民国当局の許可を必要としているので、その
手続きを取った」と訂正されるべきなのではないか。

 さらに蓮舫議員は、2004年の参議院選挙の選挙公報に「台湾籍から帰化」と記したことも問題
だ。

 蓮舫議員は野嶋氏のインタビューで「1985年の国籍法改正をきっかけに、蓮舫さんは日本国籍を
取得した、という理解でいいでしょうか」という問いかけに「そうです。日本の国籍取得です」と
明瞭に答えている。産経新聞のインタビューでも同様に答え、帰化したことを否定していた。

 今年の参議院選挙のときは「台湾籍から帰化」という記述はしていないが、帰化ではなかったこ
とを否定するなら、参議院選挙の公報を訂正する必要も出てくるのではないか。読売新聞の社説も
「公職選挙法に抵触する、との指摘もある」と記す。

 このように、中華民国籍を放棄する手続きが終わったら、蓮舫議員の国籍問題が終わるわけでは
ない。


蓮舫氏の台湾籍 「二重国籍」への認識が甘い
【読売新聞:2016年9月14日「社説」】

 国会議員が自らの国籍を正確に把握できていないとは、あまりにお粗末と言うほかない。

 民進党の蓮舫代表代行が記者会見し、台湾籍を保有していたことを認めた。台湾は父親の出身地
だ。

 蓮舫氏はこれまで、1985年1月に日本国籍を取得した際、台湾籍を放棄した、と説明してきた。
党代表選への出馬後、二重保有ではないかとの指摘を受けて、台湾側に確認し、判明したという。

 結果的に、30年超も不正常な状態を放置してきたことになる。蓮舫氏は「私の記憶の不正確さに
よって様々な混乱を招いた」と陳謝し、改めて放棄手続きを進めるというが、遅きに失した対応
だ。

 日本政府は「二重国籍」を認めていない。国籍法で、原則22歳までに、自らの国籍を選択しなけ
ればならない、と定めている。

 外国籍保有者が国会議員になることを排除する規定はないが、外交官への採用は禁止されてい
る。外交・安全保障などの国益を担う国会議員が、自身の国籍を曖昧にしておくことは論外であ
る。

 蓮舫氏は、17歳当時、台湾の大使館に当たる台北駐日経済文化代表処で行ったとされる放棄手続
きの完了を確認しなかった。2004年参院選の出馬時にも、その作業を怠った。政治家として認識が
甘く、資質が問われよう。

 台湾は親日的とはいえ、尖閣諸島の領有権を主張するなど、日本の立場と相反する問題もある。
台湾籍があれば、台湾との関係であらぬ疑念を招きかねない。

 見過ごせないのは、蓮舫氏の説明が二転三転したことだ。

 当初は「台湾籍は抜いた」と断言し、「うわさの流布は本当に悲しい」と不快感さえ示した。そ
の後、手続きをした年齢が18歳から17歳に変わったり、台湾籍保有に言及した約20年前の雑誌イン
タビューが発覚したりした。

 参院選の公報に「台湾籍から帰化」と記したことが公職選挙法に抵触する、との指摘もある。

 蓮舫氏は「違法性はない」として、代表選から撤退しない考えを強調した。事実関係をより明確
にし、説明責任を果たすべきだ。

 岡田代表は、「父が台湾人だからおかしいという発想が一連の騒ぎにあるとすると、極めて不健
全なことだ」と主張している。

 民進党内に、蓮舫氏への批判が民族差別であるかのような曲解があるのは理解に苦しむ。問題に
されているのは、あくまで蓮舫氏が法に基づく手続きを適切に行っていなかったことだからだ。


【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

●美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【随時受付】
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*現在、パイナップルケーキの在庫が切れご迷惑をお掛けしております。入荷は9月中旬となる予
 定です。【2016年8月10日】

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、1件につき1,000円(税込)を別途ご負担いただ
 きます。【2014年11月14日】

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」 2,910円+送料600円(共に税込、常温便)
 *同一先へお届けの場合、10箱まで600円

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」 4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 *同一先へお届けの場合、10枚まで700円

●書籍お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟─第四次産業革命は東アジアで爆発する』 *new
・李登輝著『熱誠憂国─日本人に伝えたいこと』 *new
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版)
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾
・片倉佳史著『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・李登輝著『新・台湾の主張
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉
・江畑哲男・台湾川柳会編『近くて近い台湾と日本─日台交流川柳句集
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・小林正成著『台湾よ、ありがとう(多謝!台湾)
・喜早天海編著『日台の架け橋
・荘進源著『台湾の環境行政を切り開いた元日本人
・石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・廖継思著『いつも一年生』
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・井尻秀憲著『李登輝の実践哲学−50時間の対話
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

●台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム *第14号が入荷!
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

●映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『KANO 1931海の向こうの甲子園
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』
・『父の初七日』

●講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。



投稿日

カテゴリー:

投稿者: