中華民国から目覚めない限り台湾は中国に飲み込まれる

馬英九総統自身もそうだが、その劉兆玄・行政院長や欧鴻錬・外交部長などの政権中
枢にも「中華民国」へのこだわりが強いように見える。

 例えば、「台湾」の文字が入った切手の発行を8月1日発行分で終了し、8月20日に発
売する切手から「中華民国」に切り替える方針を表明し、また「訪台」も「訪華」に書
き換えるよう指示を出し、さらには、一度は世論の反発を受けて使用を中止した台湾に
駐在する外国大使を「駐台大使」から「駐華大使」に復活させたり、枚挙に暇がない。

 だが、馬英九政権が「中華民国」にこだわればこだわるほど、台湾を飲み込もうとす
る中国にとっては都合が言い。それがオリンピックにおける台湾の「中華台北」という
名称に、端的に現れた。

 中国のやり方はいつも姑息だ。だが、馬英九政権が中華民国にこだわる限り、有効な
反撃もできなければ、国際世論を味方につけることもできないことは、三歳の童児にも
分かる理屈だ。

 尖閣問題の根源も、中華民国にこだわることにある。尖閣諸島の中華民国領有論は、
蒋介石の中華民国が1970年9月に唱え出したことを思い出すだけでいい。たかだか38年
前の覇権的「中華民国」思考に、馬英九総統自身が縛られているのである。

 台湾の将来を危うくするのは、時代を逆行させる「中華民国」であることに馬英九総
統自身が気づき、台湾は「中華民国」の迷妄から目覚めるべきだ。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)


「中国台北」に不満強める 台湾
【7月17日 MSN産経ニュース】

 中国国営通信、新華社など多くの中国メディアが北京五輪の台湾代表を「中国台北」
チームと表記していることについて、台湾総統府の王郁●(=王へんに奇)報道官は17
日、「五輪で使用する台湾の名称は『中華台北』だ。不要なごたごたを起こさないでほ
しい」とあらためて不満を表明した。

 台湾の名称については、中国国務院(政府)台湾事務弁公室の楊毅報道官が9日に「
『中国台北』もチャイニーズ・タイペイの中国語訳」と、「中国台北」を容認する発言
を行った。台湾の馬英九政権や与党国民党は「受け入れられない」と反発したが、無視
されている状態が続いている。

 台湾野党、民主進歩党は「台湾の矮小(わいしょう)化につながる」と、馬政権に対
中強硬姿勢を示すよう求めている。中台は1989年、表記を「中華台北」とすることで合
意している。(共同)


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