中国の対日プロパガンダ工作の実態がCIA文書で明らかに

日本が台湾の保護者となることを阻止したいとする強い意向も反映

 本日付(10月22日)の産経新聞で、ワシントンの小森記者が、中国がなぜ日本
の内政問題である靖国や教科書、そして日台関係などに干渉してくるのか、その
背景を明らかにする米国中央情報局(CIA)の秘密文書についてレポートして
います。
 特に日台関係で、中国はなぜ李登輝前総統の来日問題や議員の訪台など日台交
流に内政干渉してくるのか、その背景について「日本が米国がアジアから撤退し
た場合に経済や軍事で中国を抑えてアジアでの主導的立場に立つことを恐れ、と
くに台湾の保護者となることを阻止したいとしている」と指摘しているそうです。
 昨日付の朝日新聞において中国社会科学院米国研究所の王緝思所長は、米国の
大統領選挙についてのインタビューの中で、中国の最大の関心は台湾問題である
と明言しています。中国にとってなぜ台湾問題が最大関心事なのか、この小森レ
ポートはそれを裏付けているようです。記事の全文をご紹介します。
                               (編集部)


 中国の対日政治工作 70年代から本格化 CIA文書公開
 影響力阻止狙う「策略」
 【産経新聞 10月22日】

 【ワシントン=古森義久】中国が1970年ごろから日本のアジアでの影響力拡大
を防ぐために、あえて日本の内政に干渉し、日本の軍国主義や帝国主義の復活を
宣伝するプロパガンダ(政治宣伝)工作を本格的に開始したことが、このほど解
禁された米国中央情報局(CIA)の秘密文書から21日、明らかとなった。
 CIAは中国の1948年から76年までの内政や外交を詳しく分析した国家情報評
価の秘密文書約500ページを18日に解禁したが、その中には中国の日本に対する政
策や工作に関する記述も含まれている。
 70年11月の「共産中国の国際姿勢」と題する文書では、「北京政府は日本の内
部問題への限定的な干渉を進めることを決め、軍国主義復活という帝国主義的な
日本の亡霊を掲げる集中的なプロパガンダを開始した」と述べ、この宣伝工作は
「アジアの伝統的な日本へのおそれをあおり、日本の影響力を断つことも目的と
する外交政策上の策略」だと断じている。つまり、米国としては中国の対日宣伝
の非難は事実に反する「亡霊」づくりとみていたことが明らかにされている。
 文化大革命の最中にあった当時の中国共産党首脳が日本に対しそうした動きを
とるようになった背景の説明として、この文書は(1)日本は顕著な経済実績と
アジアでの積極的役割拡大に向けた米国の支持により、北京にとりアジアで特別
な存在となった(2)北京は日本の潜在的な軍事力と大東亜共栄圏復活への意図
に懸念を抱き、とくに69年11月の佐藤・ニクソン共同声明での沖縄返還と日米同
盟強化でその懸念を高めた(3)北京はこの声明が日本のアジアでの影響力拡大
を奨励したとみて、日本が米国がアジアから撤退した場合に経済や軍事で中国を
抑えてアジアでの主導的立場に立つことを恐れ、とくに台湾の保護者となること
を阻止したいとしている−などを指摘している。
 文書は中国の対日工作の内容については、「日本の指導者、政治、アジアでの
いわゆる野心などに対する硬直的で、口汚い攻撃的なプロパガンダ」と述べる一
方、中国が日本への非難を激しくするのは「日本国内での中国側の政治的資産や
テコが大幅に減り、文革の過激な言動のために中国のイメージも極端に悪化した
ため」、プロパガンダが日本国内であまり効果をあげないからだ、と分析してい
る。
 中国の「日本国内での政治的資産」について、CIAの別の中国評価文書は
1960年代の状況として「中国への支援は日本共産党内の少数派の一部勢力や特定
の過激派学生や労組の間に存在する」と述べながらも、日本共産党の親ソ連派に
押されて大きな力はない、としている。
 中国の対日宣伝の総括的な効果について、70年の文書は「北朝鮮のほかには東
南アジアの一部の人たちを印象づけたかもしれないが、日本人への影響は少なか
った」と総括している。


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