を含む、全ての中国人民の共同義務だ」と定めた「国家安全法」を可決し、この国内法は「中国の
核心的利益と重大利益を守るためのものだ」と嘯(うそぶ)いている。
台湾人も中国人民扱いする一方的で傲慢なこの法律制定に対し、台湾の夏立言・大陸委員会の任
委員は「我々は強く抗議する。中国大陸の我々に対するこうした行いは我が方に対して誠に非礼で
ある」と不快感をあらわにした声明を発表した。当然であろう。
台湾の「八仙水上楽園」火災事故に対して中国が医療や義捐金で支援したという話は、一向に聴
こえてこない。台湾がこのような苦境にあるとき、中国はその傷に塩をすり込むように「国家安全
法」を定めた。これが中国なのだ。
中国:国家安全法成立 台湾、香港に統一義務づけ
【毎日新聞:2015年7月3日】
【北京・石原聖】中国の全国人民代表大会常務委員会は1日、領土主権の防衛とサイバー空間を
構成するネットワークインフラの包括的管理を目的とした国家安全法を可決し、即日施行した。台
湾や香港にも領土統一を義務付けており、反発の声が上がっている。
2日付の中国各紙によると、同法は「国家の主権と領土の統一は香港、マカオ、台湾同胞を含む
中国人の共同義務」としたほか、中国が宇宙や深海、極地、その他戦略的フロンティアにおいて重
要な利権を持っていると規定。これらの地域での「活動に法律の支えを提供する」ともうたった。
さらに延長線上として「ネット空間にも主権がある」とした。主要なネットワークインフラと情
報システムから言論空間、非政府組織(NGO)の活動も対象となるとみられ、当局側が「安全か
つ管理可能」にするため必要な全ての措置を講じることを可能にした形だ。
これに対し、台湾の中国政策を担当する大陸委員会は「一方的であり、台湾人の尊厳を傷付け
る」との声明を発表。また、香港記者協会幹部も「大陸で取材する際に一層大きな脅威に直面す
る」と懸念を表明した。