中国、WHOに9億6000万円寄付

「台湾をWHOから排除するためなら、800万ドルは当然」

【5月17日 産経新聞】

 【北京=福島香織】中国の高強衛生相は15日、ジュネーブで開かれている第60回世界
保健機関(WHO)年次総会に出席し、WHOに800万ドル(約9億6000万円)の寄付を
行うと発表した。16日、国営新華社通信がジュネーブ発で伝えた。高衛生相は「この寄
付金は主にアフリカなど発展途上国での保健・疾病監督ネットワーク設立、疾病予防・
治療および突発的公共衛生事件への対応能力向上に役立てられる」と説明、対アフリカ
外交の一環であることもうかがわせた。

 今年1月に中国の後押しで香港出身のマーガレット・チャン氏が事務局長に就任した
後の初の年次総会で、中国はWHOを通じた保健分野における国際的な発言力強化の姿
勢を示した。大手ポータルサイト・新浪掲示板に寄せられた中には「台湾をWHOから
排除するためなら、800万ドルは当然」「WHOやアフリカとの距離をつめる一石二鳥の
策」と支持する声のある一方で、「国内の医療問題を解決してからにしろ」という非難
の声も少なくない。

 WHO年次総会は14日、台湾の加盟問題の議題申請を却下していた。


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