ロシアのウクライナ侵攻 西側諸国はNATO拡大と台湾の国家承認で応えよ

【台湾の声:2022年2月24日】

 ロシアがウクライナ首都キエフ及び軍事施設へのミサイル攻撃を開始したことを受け、台湾独立建国聯盟の陳南天主席は2月24日、アメリカとNATO、EUがロシアのウクライナ侵攻に対して強硬な手段を取らない場合には、中国の台湾侵略の企みを助長すると述べた。

 以下、発言の要旨

 最悪のシナリオは、ウクライナ東部の2地域が独立しウクライナが併呑されても、NATOとその加盟国が形式的な経済制裁をロシアに課すだけで、ロシアが望み通りの地政学的な立場を手に入れてしまうことだ。

 このとき、中国は、ウクライナ東部およびウクライナを防衛することができない西側諸国のボトムラインをすぐさま察知して、どのように台湾問題で中国が優位に立てるかを知るだろう。

 ヨーロッパがロシアの牽制を受け、アメリカ率いるNATO諸国が対応を躊躇し、アジア地域への注意が手薄になる瞬間を中国はまさに待っている。

 その隙をついて台湾に食指を伸ばそうと待っている。

 西側諸国が軍事拡張に対して単に経済制裁やボイコットなどの外交手段しか取らなければ、中国のような強権国にとっては全く脅威ではなく、抑止効果もない。

 事が起きた後に人道的救援活動を行っても時はすでに遅しで、拡張主義の独裁政権を揺るがすことはできない。

 中国とロシアは一枚岩のような固い関係ではない。

 ロシアがクリミア半島を併合したとき、中国はウクライナとの友好関係を維持すると表明し、ロシアによるクリミア併合に反対した。

 だが、中国は具体的に行動することなく黙認し、併合を『現状』と認め、現状維持を口実に侵略行為を既成事実と化した。

 世界の人々に西側の民主主義世界が軟弱であるとの印象を抱かせないためには、抑制できる能力を備えなければいけない。

 NATOの東側拡大や台湾の承認はロシアと中国を抑制することになる。

 策略上、ロシアや中国の独裁専制政治の輸出を阻止するのみに留まらず、道徳的にも独裁主義に強く対抗し、自由・民主主義の世界への支持を示さなければならない。

 台湾と国交を締結し、台湾を独立国家として認めることによって、中ロ両国の勢力拡大を阻止するべきである。

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