セホタナさんと一緒に靖国神社を参拝 [日本李登輝友の会青年部 薛 格芳]

昨日、私たちは日本李登輝友の会が主催する「李登輝学校台湾研修団」でお世話にな
ったセホタナ(賽侯大納)さんの出迎えのため、成田空港に行きました。

 セホタナさんは第6回の李登輝学校台湾研修団の際、台湾原住民に関する講義の際に、
タイヤル族議会を代表して来ていただいた方々の一人です。その際、セホタナさんは、
従兄のお兄さんを戦争で亡くした。もしかしたら靖国神社にいるかもしれない。そうで
あるならば是非とも参拝したいと仰っていました。

 しかし、正直に言うと、その研修団の際はそれほど真剣なものとは思いもよらず、も
し日本へいらっしゃったら案内しますよ、という程度の気持ちでした。

 昨年、いただいたお手紙には「心筋梗塞で行けそうにない。頑張って元気になって、
来年は日本へ行きます」と書かれていました。

 忘れっぽい私は、この件についてまたすっかり忘れていましたが、今年6月の初めに
再びお手紙をいただきました。

 お手紙によれば、「おかげさまで凄く元気になりました。今年こそぜひ靖国神社に参
拝したいです。今年も行かなければ、約束も守らない、信用できない人間と思われてし
まいますから。しかし、従兄弟の兄さんは軍官でも将軍でもなかったので、恐らく祀ら
れていないでしょう。ただ、そうであってもぜひ参拝したい、日本の英霊に感謝を捧げ
たいのです」と。

 私は感動しました。これほどまでに「靖国神社に参拝したい」という思いを何十年も
抱き続け、ついには実現させた人がいることを、靖国神社がどんな神社かさえ知らない
日本人にもっともっと知ってもらいたいと思います。

 セホタナさんの初めての来日の目的は、靖国神社の参拝以外にもう一つあります。小
さい頃、お世話をしてくれた日本人の警察官に会ってひとことお礼が言いたいというも
のです。もしかしたらご本人はもうご存命でないかもしれないが、その子孫の方に会え
たら当時の話を知ってもらい、お礼を言いたいということでした。

 このように、日本に対して強い気持ちを抱いている台湾の世代が年々少なくなってい
くのはとても悲しいことです。

 台湾から引き揚げた方にいろいろ調べてもらったところ、日本人警察官の三男の方に
連絡をつけることが出来ました。判明したのは、台湾を出発する前夜の事で、感動と感
謝の気持ちでセホタナさんは眠れなかったそうです。

 本日、セホタナさんは靖国神社へ参拝に行きました。靖国にいるお兄さんに会いに行
きました。そして、日本の英霊の皆さんに感謝の意を捧げました。

 何十年も思いを抱き続けたセホタナさんの話を聞くと、電車でわずか数十分、何の苦
労もせずに靖国神社に行ける私は行かずにいられませんでした。

 セホタナさんは明日お帰りになりますが、明日の朝、靖国神社に参拝してから帰られ
ます。再び日本の土を踏むことは厳しいかもしれません。



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