連邦議会諮問機関の「米中経済安全保障調査委員会」が2017年11月15日に発表した年次報告書では、米国が主導する軍事演習リムパック(環太平洋合同演習 Rim of the Pacific Exercise)に台湾を招待すべきと提言し、空軍軍事演習の「レッドフラッグ」やサイバー攻撃に対する国際演習「サイバーストーム」に台湾を招待すべきとも提言している。
このような台湾との関係強化を図る米国内の動きは、当然ながら日本との関係にも及び、大紀元紙は、元米海兵隊大佐のグラント・ニューシャム氏が「先週、米誌『ナショナル・インタレスト』のウェブサイトで記事を発表し、台湾海軍が、日本の自衛隊と米国で最大規模の海軍艦隊・第7艦隊(司令部・横須賀)が毎年開催する2国間海上演習に参加するよう提案した」と報じている。
ニューシャム氏は「日本は日米台共同訓練を躊躇するかもしれないが、日本当局は、台湾の防衛が日本の防衛に繋がると、はっきり理解しているはずだ」とも述べているという。台湾防衛が日本の防衛と直結していることは、他言を要しまい。下記にその記事を紹介したい。
ニューシャム氏は、日米台関係研究所(渡辺利夫理事長)が5月29日に開催する国際シンポジウム「日米台安全保障協力の方向性─台湾有事に備えた日米台の連携」の米国のパネリストの一人として来日する。
下記に、ニューシャム氏のプロフィールとともに国際シンポジウムの内容を紹介するホームページも併せて紹介したい。
ちなみに本会は昨年3月、「政策提言」として「台湾を日米主催の海洋安全保障訓練に参加させよ」を発表した。
これは「台湾の防衛力強化をサポートし、台湾が西太平洋地域、そして世界の安全保障のために貢献できる機会を拡大するとともに、中国による国際社会における台湾孤立化の企図を抑制するため、日本は米国と共催の海洋安全保障訓練に台湾を招くよう米国に働きかけることを提案」する内容で、米国と日本は「ウェスト・リムパック」(環西太平洋合同演習)を共催し、人道支援・災害救難など地域における地域海洋安全保障訓練に、参加不可欠の地域メンバーとして台湾を招聘したらどうかという提言だ。 ◆日米台関係研究所:国際シンポジウム「日米台安全保障協力の方向性」 http://just-j.tokyo/
◆台湾を日米主催の海洋安全保障訓練に参加させよ 日本李登輝友の会「2018政策提言」 http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180423/
◆グラント F・ニューシャム(Grant F. Newsham) 1956年、米国バージニア州生れ。プリンシピア大学を卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス 校法科大学院修了。米大平洋海兵隊予備役作戦参謀及び情報参謀、駐日米国大使館海兵隊武官を 歴任。また、米大平洋海兵隊の陸上自衛隊との連絡官を務める。文民の経歴として金融機関所 長、米国務省職員、コロンビア特別区弁護士会国際貿易委員会共同議長。世界経済フォーラムの 組織犯罪に関するグローバルアジェンダ評議会メンバー。30年以上に亘り防衛、ビジネス危機等 に関し定期的に発言する傍ら、論文執筆、講演活動を行う。
—————————————————————————————–日台関係の強化を提唱「台湾防衛は日本防衛に」=専門家【大紀元:2019年5月17日】
台湾周辺での中国の軍事活動の増加に対応して、米国は台湾関係の強化を行っている。東アジア地域の安定を脅かす中国の軍事活動を抑制するため、米国の台湾対応は重要となる。日本問題の専門家は、日本も台湾と関係の強化を行うよう提唱している。
米国下院で7日、台湾を支持し、台湾の防衛費増額を求める内容の「2019年台湾保証法案」が全会一致で可決した。また、米両院は4月、「台湾に対する米国のコミットメントの再確認と台湾関係法を実施する」法案を可決した。米議会の積極的な行動は、中国や日本のほかアジア周辺国にも、米国が台湾に対して関わっていくとの態度を強調した。
読売新聞は5月16日の社説で、「台湾海峡の不安定化は、日本にも悪影響を及ぼす。日本は米国と連携し、経済や人的交流を通じて台湾との協力を深化させたい」と書いた。
日本のシンクタンク・日本戦略研究フォーラムの上級研究員グラント・ニューシャム氏は先週、米誌「ナショナル・インタレスト」のウェブサイトで記事を発表し、台湾海軍が、日本の自衛隊と米国で最大規模の海軍艦隊・第7艦隊(司令部・横須賀)が毎年開催する2国間海上演習に参加するよう提案した。
ニューシャム氏は、台湾軍が日米共同訓練に参加することに期待し、「もし北京が尖閣諸島や台湾へ短期的な攻撃を決めても、台湾海軍は座視するわけにはいかない」と述べた。
米海兵隊退役高官であるニューシャム氏は、日本は日米台共同訓練を躊躇するかもしれないが、日本当局は、台湾の防衛が日本の防衛に繋がると、はっきり理解しているはずだ、と述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)