ウラニウム(ウラン)は原子爆弾の原料である。国家安全に関わるからアメリカで産出されたウランを外国に売ることは禁止されている。アメリカの敵であるロシアにウランを売るのはなおさらである。オバマとクリントン夫婦はこんな大それたことをやったのである。
ヒラリー国務長官は、2010年に米国産ウランの20%をロシア政府の関連会社に売る契約にサインしたのだ。ウランを外国に売ることは米国対外投資委員会(CFIUS)の許可が必要だ。CFIUSは14の部門が関与している。
契約が難航したのでロシアのRenaissance Capitalは2010年6月、ビル・クリントン元大統領に対し、普通の講演料の3倍から5倍にあたる50万ドルを提供してロシアで講演し、プーチンとも会見した。ビル・クリントンの講演のあと同年10月にヒラリーは20%のウランの販売契約にサインした。そして、このあとロシアのウラン会社は1.45億ドルをクリントン基金会に献金した。明らかな汚職、収賄である。
FBIは、ヒラリー国務長官がUranium Oneと呼ぶウラン販売契約にサインする前年の2009年には既にロシアが米国産のウランを買うため贈賄、強制、マネーローンダリングなどの違法行為を熟知していた。FBIが知っていたとは司法部も国務院も大統領も知っていたということである。
ロシアのウラン工業会社Rosastomは、アメリカの子会社Tenam 社のロシア系アメリカ人Vadim Mikerin を使ってアメリカのウラン購買を推進した。Mikerinはある弁護士を通じてアメリカ人のロビーストを雇うことにした。接触を受けたこのアメリカ人は事情の重大さを知って直ちにFBIに通報した。
FBIは彼を秘密情報員(Confidential Source)としてCS-1と名付け、Mikerinの仕事に参加させた。CS-1は情報をFBIに提供し、自分でも資料を保存していた。こうしてFBIは2009年から情報員を通してオバマ、ヒラリーのウラン販売に関する詳しい資料やメールを持っていた。それなのにヒラリーは2010年にウラン販売を許可したのである。
ロシアのRosastom 社はカナダのUranium One社の17%の株を取得し、ヒラリー国務長官はUranium One社を通じて20%のアメリカのウランをロシアに売る契約にサインしたのである。この契約は2014年にロシアがクリミア侵攻した後に中止した。
CS-1の告発でウラニウム・ワンの詳細が明るみに出たのである。SC-1は国会議員に通報しようとしたが、FBIは彼と「情報不公開契約」を結んでいたとして国会議員に接触することを禁止したのである。これは2015年のことで、ヒラリーが大統領選挙に出る時期である。つまり、ヒラリーとビルの外にオバマ政権がウラニウム・ワンに関わっていたからFBIが事実を隠蔽したのだ。オバマ政権は2015年に至るまでウラニウム・ワンを国会に隠していたである。
先週の10月17日、アメリカのThe Hill 雑誌社はJohn Solomon とAlison Spann、の共著によるウラニウム・ワン記事を発表した。同じ日に別の雑誌社、CIRCA NewsのSara Carterもウラニウム・ワン記事を発表した。
この二つの記事が発表されるとFoxnews社は直ちにテレビでUranium Oneの追跡キャンペーンを開始したが、アメリカの三大テレビは今日10月24日に至るまでウラニウム・ワンに関する報道をしていない。アメリカのメディアは民主党贔屓で反トランプ、オバマとヒラリーのスキャンダルを報道しない事実がこれでよくわかる。
John SolomonトSara Carterの記事が発表されると、国会は直ちに非公開調査を始めた。20日にはホールダー司法部長の後任者ロレッタ・リンチ司法部長が召喚された。彼女はウラニウム・ワンの外に2016年8月にビル・クリントンと飛行機内で会見したことも聞かれたが詳細は公開されていない。
The HillとCIRCA Newsの記事が発表された4日後の21日、アメリカのNationalReviewはAndrew McCarthyの「The Obama Administration`s Uranium One Scanndal」を発表した。すこし長いがわかり易い記事である。
続いて23日、ワシントン・タイムス社もウラニウム・ワン疑獄の関連記事を発表した。いくら三大テレビがオバマのスキャンダルを隠しても、国会の調査が進めば明るみに出ると思われる。
今のところ、ウラニウム・ワン疑獄がどれだけ事実を解明できるかはわからない。McCarthy記者が書いたようにこれは明らかな売国行為であり、ヒラリーだけでなくオバマ政権の大事件である。だが、疑獄を調査してもオバマやヒラリー、ホールダーなどが有罪となるかはわからない。
当時のFBI 長官マラーは現在のトランプの選挙のロシア癒着を調査している特別検察官である。ロシアの子会社Tenamの調査をしていたローゼンシュタインは現在の司法部副長官である。マラー検察官のもとで仕事をしているAndrew Weissmann は当時の司法部の詐欺捜査班で働いていた。彼らが現職に不都合であるのではないが、FBI,司法部は当時オバマ、ヒラリーの売国行為を知りながら告発しなかったのである。
トランプ大統領は「これは10年来最大の汚職事件だ」と述べた。だがニュート・ギングリッチ元国会議長は「これは単なるスキャンダルではなく、オバマ大統領、ヒラリー国務長官、ホールダー司法部長、マラーFBI長官とマッケード副長官など全員が関わった売国行為で、アメリカ歴史前代未聞の大事件である」と言う。大統領と国務長官が敵国にウランを販売する事件は世界史にもないことである。