ご案内のように、本会は6月2日、東京千代田区内にて会員限定の「李安[女尼]さんと安倍昭恵さんを囲む会」を催しました。
これは、本年3月、李登輝元総統の次女で李登輝基金会理事長の李安[女尼]さんと、安倍晋三元総理夫人の安倍昭恵さんのお二人が本会名誉顧問に就任されたことを受け、また李安[女尼]さんの誕生日が6月9日、安倍昭恵さんが6月10日と1日違いだったことから、お誕生会を兼ねてお二人に思うところをお話ししていただこうと開いた催しです。
会場は定員48名の席が満席となりました。
司会は常務理事の王明理さんがつとめ、松浦正人・副会長の開会の挨拶に続き、まず李安[女尼]さんが登壇。
安[女尼]さんは、日本に「日本李登輝友の会」があり、台湾に「安倍晋三友の会」があることを挙げ、日本も台湾もこの二人のリーダーをモチーフに心を寄せ合っているところがあり、自分と昭恵さんも誕生日が1日違いの双子座で、天が授けてくれた奇妙なご縁で姉妹のような関係になったと口火を切りました。
通訳は、李登輝元総統の秘書をつとめ、日本台湾交流協会台北事務所を経て、現在は笹川平和財団日米・安全保障研究ユニットに勤める早川友久氏。
実はこのときちょっとしたハプニングがありました。
早川氏が安[女尼]さんの台湾華語を通訳しようとしたのですが、パワーポイントを使うために席を移動したことで早川氏の手元にマイクがなく、それにいち早く気づいたのが昭恵さんでした。
早川氏に自分のマイクを差し出したところ、安[女尼]さんがすかさず「妹よ、ありがとう」と笑顔で述べると、会場からはドッと笑い声と拍手が起こり、とてもなごやかな雰囲気のなかで話が始まりました。
安[女尼]さんが父である李登輝元総統について「学者としての父」「政治家としての父」「社会における父」の3つの面から話しはじめ、最後に「AI李登輝」を紹介。
中国語、日本語、英語で挨拶する場面や「千の風になって」を日本語で歌う李登輝元総統が紹介されると、会場からは「おお!」と感嘆の声が洩れ、全員が画像とその声に魅せられました。
李元総統の日本語は声の特徴をよくとらえていて、驚くほどよく似ていました。
次に話しはじめた昭恵さんが「私もAI安倍晋三を作ろうとしている」と発表すると、またもや会場がどよめき、AI李登輝先生とAI安倍晋三の対話もできるかもしれないと話し、奇しくも日台で同じことを進めていることが判明しました。
昭恵さんは、安倍総理が2006年に初めて総理に就任したのは、なりたくてなったわけではなく、総理になれるチャンスが回ってきたので挑んだだけで、当時の安倍総理は不安でいっぱいだったことを後で聞いたと、安倍元総理の秘話ともいうべきエピソードもご紹介いただきました。
また、「安倍晋三デジタルミュージアム」をつくるプロジェクトも進行させていることや、今年も台湾訪問が続くことなども紹介いただきました。
その後、お二人の誕生日をお祝いして藤倉宏文・理事のリードによりハッピーバースデイの歌を歌い、本会からお二人にお誕生日のプレゼントとして生花と見間違えるほど精巧につくられた花瓶に入ったバラの花を、プレゼンターの越野充博・常務理事と江成雅子・常務理事から手渡しました。
また、台湾を応援するゆるキャラグッズの「タイワンダー☆」を、王明理さんから手渡しました。
すると、安[女尼]さんから「私から昭恵さんにプレゼントがあります」と言って素敵なネックレスをプレゼント。
すると昭恵さんも「私からも安[女尼]さんにプレゼント」と、安倍元総理が李元総統を訪ねたときのお二人が並んで写っている写真を彫り込んだグラスを差し上げ、予期しなかったプレゼントの交換もありました。
続いて、お二人への質問コーナーでは、安[女尼]さんには「父としての李登輝元総統の好きなところ」、昭恵さんには「夫としての安倍元総理の好きなところ」という質問に、安[女尼]さんは「理想に向かって邁進するところと若い人を励ますところ」と答え、昭恵さんは「誰に対しても態度を変えないところ。
男気があるところ」などと答えていました。
昭恵さんには続けて、家での安倍元総理のことを質問されると「やさしい人でした」と答えるとともに、よく演説を練習していたことや本をよく読んでいたことなどを挙げ、生前の安倍元総理の横顔をうかがい知ることができました。
だいぶ時間も押していましたのでここで質問コーナーを終え、辻井正房・副会長が中締めの挨拶。
その後、記念の集合写真を撮影。
また、参加者お待ちかねの安[女尼]さん、昭恵さんとのスリーショット撮影。
これは、参加者全員が各自のスマートフォンで撮影したため、安[女尼]さんと昭恵さんはイスにすわったままほとんど身じろぎもできず、20分ほど笑顔で撮影するといういささかしんどい時間だったかもしれません。
しかし、参加者には貴重な写真を自分のスマートフォンに保存できるというとても嬉しいことだったようで、お二人のお話とともに大好評でした。
いずれ、またチャンスがあればお二人を囲む会を開きたいと思います。
お話しいただいたお二人とご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。
「AI李登輝」が名曲歌う 安倍昭恵さん、「AI安倍晋三」との対話実現に期待【中央通信社:2025年6月3日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202506030001
(東京、台北中央社)2020年に逝去した李登輝(りとうき)元総統をAI(人工知能)で再現した「AI李登輝」が2日、東京都内で行われた民間団体主催のイベントでお披露目され、AI李登輝による自己紹介や歌声が流された。
その歌声に、出席した安倍晋三元首相の妻、昭恵さんら多くの出席者が涙を流した。
イベントは日本李登輝友の会が主催したもので、李氏の次女で李登輝基金会の董事長(会長)を務める李安[女尼](りあんじ)さんや昭恵さんらが講演した。
安[女尼]さんは講演で、基金会が進める「デジタル李登輝」の進捗(しんちょく)状況を報告。
AIで生成した李氏の中国語、台湾語、日本語、英語の自己紹介や、李氏が生前好んだ「千の風になって」を歌う音声が公開された。
李氏の秘書を長年務めた早川友久さんは、AIによる自己紹介は本物と見分けがつかないほどだったと出来栄えを称賛。
かつての録音を流しているのかと思ったと話した。
一方、安[女尼]さんはAIによる歌声について「聞いてすぐAIだと分かった。
父は音を外すので」と話し、涙を流していた昭恵さんを笑わせた。
昭恵さんは、現在、若手有志が「安倍晋三デジタルミュージアム」プロジェクトを推進していると紹介。
自身がすでに友人に「AI安倍晋三」の制作を依頼したことも明らかにした。
着手して間もないため、成果はどうなるか分からないとしつつ、将来的にAI李登輝とAI安倍晋三の対話が実現するよう期待を寄せた。
安[女尼]さんによれば、北部・新北市の国立台湾図書館では7月30日から、AI李登輝の特別展が2年にわたり開かれる予定だという。
(楊明珠、戴雅真、葉素萍/編集:名切千絵)
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