【産経新聞「台湾有情」:2023年1月20日】
日台の関係強化に尽力した安倍晋三元首相の功績を記念し、台湾の企業家らが昨年秋に結成した「安倍晋三友の会」が、今年から台湾留学を希望する日本の若者に1人100万円を上限に奨学金を提供し始めた。
その第1陣の受給者ら21人が正月早々、台湾を訪問した。日台友好の歴史を知ろうと台南、高雄などを3日間の日程で回った。
台南では約100年前、日本人技師、八田與一(はった・よいち)が作った、当時、東洋最大級とされた烏山頭(うさんとう)ダムを見学。1947年に起きた中国国民党政権が民衆を弾圧した2・28事件で、命懸けで学生らを守った弁護士、坂井徳章(台湾名、湯徳章)の記念館も訪問した。
高雄では地元団体が昨年9月に建立した安倍氏の銅像に献花。市役所や議会などで地元議員や台日友好団体の関係者らとも交流し、至るところで熱烈な歓迎を受けた。横浜の大学院生、中山尚彦さん(26)は、「台湾のみなさんの日台友好に対する熱意に感動した。安倍さんの思いをしっかりと受け継いで頑張りたい」と話した。
安倍晋三友の会の会長で、台湾の元外交部長(外相に相当)の陳唐山氏は「台湾のこと、アジアのこと、世界のことをよく勉強してほしい。安倍元首相のような立派な人物を目指してもらいたい」と日本の若者らを励ました。
(矢板明夫)
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