【開南大学留学レポート2】他の語学学校にはない特色 [早川 友久]

本会の斡旋により、台湾・桃園にある開南大学に入学した日本人は10名。9月12日発行
の本誌610号で、留学した本会青年部初代部長の早川友久氏(本会理事、第7回李登輝学
校研修団卒業生)からのレポートをご紹介しましたが、第2弾が届きましたのでご紹介し
ます。                                (編集部)


【開南大学留学レポート2】
他の語学学校にはない特色

                       理事・青年部初代部長 早川 友久

 開南大学での生活が始まってほぼ1ヵ月後の10月4日の午後。私たちを受け入れてくれ
た応用日本語学科のオフィスで懇親会が開かれた。

 出席したのは日本からの留学生と、モンゴルからの留学生。「なぜモンゴルの学生が
?」と思われるだろうが、彼らはみな本国で日本語を学んできており、台湾では中国語
と日本語を学ぶことになっている。中でも留学3年目という学生は、私たちと会話する時
も流暢な日本語を使っている。彼らによると、モンゴルの大学で学ばれる外国語の中で
一番の人気はロシア語だそうで、それに英語、日本語が続くとのこと。長い国境を接す
る隣国ロシアの言語に人気が集まるのは当然か。

 日々の授業と台湾での生活に少しずつ慣れてきて、その反面、悩みや問題が持ち上が
って来るであろうというこの時期にはピッタリの開催である。ちなみに、私たち留学生
は「国際栄誉学程」という交換留学生のような身分で、1年もしくは2年間、開南大学で
学ぶことが出来る。また、希望すれば本科生にも転入することが出来、4年間で単位を取
得すれば学位を受けることも可能だそうだ。

 出席した応用日本語学科主任の余金龍先生や王迪先生、留学生担当の林吉銘先生は全
員が日本で博士課程を修了していて日本語がペラペラ。中国語でまだまだ用が足せない
留学生たちには何とも心強い味方だ。特に王先生は女性らしく「台湾の食事は合います
か」「生活面で問題はありませんか」とお気遣いいただいた。

 学生から「中国語をもっと勉強したいので授業を増やして欲しい」という意見が出た
ところ、余先生から「中国語の授業も大切だが、知識を蓄積したあとはそれをアウトプ
ットしたり応用したりする訓練が必要。せっかく応用日本語学科があるのだから、ぜひ
日本語学科の授業に出て下さい。先生は日本語を中国語で解釈していくので、逆に日本
人の皆さんにとっては中国語の勉強になりますよ」というアドバイス。

 これは通常の語学学校ではなかなかできないスタイルだろう。読む・書くという訓練
は中国語の授業でも賄えるが、聞く・話すことの訓練は授業だけでは到底足りないので、
願ってもない機会だろう。実は、すでに英語の授業に出席したり、日本語学科の授業に
出席して発音のお手本を見せている学生もいるのだが……。

 10人もの日本人を受け入れたのは今年が初めてとのことで、学校側もいろいろと試行
錯誤してくれているようだ。また、先生方や台湾人学生と留学生との距離が近いので、
すぐに顔を覚えてもらったり、友達になれたりするのは他の語学学校にはない特色だろ
う。

 受け入れシステムとしてはまだ完全に整っていない面もあるが、逆に学校と私たちが
一緒になって作り上げていくような気がして今後の学園生活が楽しみである。
                                 (10月6日記)



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