北海道 前田 博
まず半島情勢について、私は以下のごとく認識する。
金王朝(北鮮)が南鮮を呑み込むことがあっても、南鮮が北鮮を吸収・統一すること
は有り得ない。南鮮が経済的に、人口的に、及び社会制度に於いて優位であるとしても
である。東西ドイツの統一とは異なる。金王朝は核を保有した。金王朝と南鮮の力関係
は決した。金王朝の勝利である。
南鮮の新大統領以下国民が上記のことを認識しているのかいささか疑問である。北鮮
は中国の植民地である。故に、金王朝の勝利をもって南鮮は中国の準植民地と見做すこ
とができる。
日本はこの状態を認識しなければならない。不義反日の国、南鮮に肩入れしてはなら
ない。
日本にとって死活的に重要なのは半島ではない。台湾が日本にとって死活的に重要な
国なのだ。良き隣人を大切にしなければならない。義のある親日国家である。
仮に一部の反日的な個人がいたとしても多くの、より多くの、さらにより多くの台湾
国民は素直で正直で日本に親近感を持っている。
立法委員選挙、総統選挙の結果を見て不安があるかもしれない。しかし彼の国には哲
人がいる。その哲人を取り囲む多くの人々がいる。多くの善良な国民がいる。信頼しよ
うではないか。
彼らを、彼らの国家を見捨ててはいけない。関心を薄めてはいけない。今まで以上に
関心を持たなければならない。
また日本は最低限、集団的自衛権の行使と武器輸出三原則の見直しが必要である。見
直しが為された時、台湾に対する武器供与も可能になる。その前に、日本国内の潜水艦
16隻枠、イージス艦8隻枠などの「枠」を外す必要がある。現状に照らして、「枠」を
設ける理由がわからない。
隣国諸国が軍拡を押し進めているという現実を見つめるべきである。それに比して日
本と同様、台湾も防衛力整備が不十分である。日本も台湾も「不十分である」というこ
とを認識すべきである。
「一文明百年、一度文明国を経験した国は二度と文明国には成れない」と。今は亡き
京都大学教授(名前は忘れましたが)の言葉です。英国百年、米国百年、そして次は〜。
中国、インド、ブラジルでしょうか?
中国、インドはそれぞれ黄河文明、インダス文明を経験している。ブラジルは製造業
(ものづくり)、技術、技術開発力が弱いようです。世界の国々を見渡してどの国が次
の文明国(覇権国)に近いのでしょうか。わりと近い所に我々の意識しないところにあ
るような気がします。
哲人李登輝前総統はその辺を見抜いていると思います。日本と台湾の通貨統合を考え
ている。それが李登輝前総統の答えだと思うのです。まさに哲人です。哲人の信念は揺
るぎがない。
日本・台湾間の通貨統合は両国にとってメリットが大きい。人、物、技術、資本の移
動が日台間で活発になる。両国合わせて消費人口が一億五千万人に達する。少子化が進
む日本にとって大きなメリットである。
台湾にとっても日本にとっても、経済的繁栄の恩恵は計り知れない。しかし一説によ
れば、文明的繁栄には最低2億人の消費人口が必要であるとも言われる。この説には多
少異論があるものの、消費人口が多いことに越したことはない。2億人の消費人口は米
国には当てはまるが、英国には当てはまらない。
90年代初頭、上記の京都大学教授がテレビで語った言葉です。「一文明百年、一度文
明国を経験した国は二度と文明国に成れない」と。忘れられない言葉となった。
90年代中頃に21世紀の文明国は朧気ながら日本にあるのではないかと思うようになっ
た。バブルが崩壊し、さらに一層景気が冷え込んでいく時期であった。文明国に成り得
る他の国家、ドイツはどうか。ドイツは半導体及び先端技術で遅れをとっていた。なら
ばドイツ以外の国はどうか。見当たらない。
50年ほど前に我が家にテレビがやって来た。小学一年生であった。そのスクリーンに
米国の裕福そうな老婦人が現れ「米国の繁栄は永遠に続く」と言った。小学生ながら
「永遠に続くものなどあるものか」と思った。
また『毛沢東語録』が流行った頃、スクリーンに英国の多数の大学生が映し出され
た。『毛沢東語録』を片手に持ち「21世紀は中国の世紀だ」と宣った(のたまった)。
あり得ないと思った。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、名門である。名門
にしてこの程度か。
韓国経済が絶好調であった時代、外国人との討論番組で韓国(南鮮)の女性が「21世
紀は韓国の世紀になる」と言った。
日本側の出演者は「韓国は文明国に成れない。第一人口が少ない」と応答した。その
女性は切り返した。「北朝鮮と統一すれば人口が増える」と。日本側応答者(確か、井
沢元彦氏であったような気がします)は呆れ顔をしていた。
2、3年前、スクリーンの中に中国の裕福そうな老婦人が現れ「今世紀は中国の時代に
なる」と仰せられた。
他人の褌で相撲をとっていてよく言うなー(笑)と思う次第であった。他人の褌─外国
資本(日本資本、台湾資本、米国資本その他の外国資本)。外国資本が本国及び中国以
外の第三国に逃亡した時、中国は崩壊と混乱の中に身を置くことになる。老婦人よ、身
の丈を知って欲しい。
過去の文明国を紐解けば文明国になる要件が解る。近い例で英国、米国を取り上げる。
英米が文明国になり得たのは、発明、発見、技術開発が行われ、それを国家の工業力
に還元したからである。英米の発明、発見、技術開発は文明の初期、または文明の前半
までに為された。文明の初期、または文明の前半までに資本を集中的に投下した。そう
して英米は真の文明国となった。
しかし文明の初期以後、または文明の前半以後は見るべき発明、発見、技術開発がな
かった。初期または前半に蓄えた富を、文明の後半にはその富を食い潰して凌いでいく
ことになった。ものづくりの衰退である。そして安易な金融に特化していく。金を右か
ら左に回して利益を得る。額に汗して働くことを忘れる。否、そういう労働を嫌悪する
ようになる。今の英国がそうであるように米国も同じ道を歩もうとしている。文明の崩
壊である。
日本においても発明、発見、技術開発が行われ、それを国家の工業力に還元してきた
ということは英米と同じである。しかし日本の場合は、英米のように期間限定の発明、
発見、技術開発ではない。世界に門戸を開いてから日本の発明、発見、技術開発の歴史
は今年で140年に達する。ここに英米とは違う仄かな文明の光明が見える。
産経新聞3月28日付に曽野綾子子氏がー「職人国家」が生き残る─という題名で寄稿
している。
曽野氏は国家を3つに分けている。1.政治的(親分)国家─米国、貧しい国家、2.
経済的(商人)国家─米国、中国、シンガポール、3.技術的(職人)国家─日本、ド
イツなどであると。
米国も文明の前半においては、期間限定の3の技術的(職人)国家でもあった。英国
も同様である。
産経新聞3月29日付に「黄信号が灯った『世界の工場』」と題する記事が掲載されて
いる。中国から外国資本の逃亡が始まっている。中国崩壊の序幕の幕開けである。チベ
ット問題もある。他の多くの民族問題も抱えている。大変なんだなー、中国は。
と思うものの、日本の主要都市に核ミサイルの照準を合わせ、台湾に対して一千基の
ミサイルを配備している国家である。
彼の国に同情の念はいささかもない。内心、中国を国家、国とは呼びたくない。中国
は単なる民衆の集まりに過ぎない。事が起これば民衆はバラバラになる。黄信号から赤
信号に変わる日もそう遠くはない。
産経新聞の記事を読むと、李登輝前総統の心意気が伝わってくる。東京に着任するこ
とを望む。
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