≪「尖閣 日台共同開発を」、馬総統、主権問題棚上げ主張≫
というものです。
台湾世論を背負った馬総統としては精一杯の譲歩であり、現実的な提案だと思います。
しかし、これはふざけた恥知らずなものなのです。先日のシンポにも参加された田久
保忠衛氏が、氏の著書『激流世界を生きて』(並木書房)の中で次のように書いておら
れます。
≪那覇、ワシントン、東京と生活の場を移しているうちに引きずってきたのは領土問題
とそれに絡む日中関係だ。私が沖縄にいた1968年に沖縄中が湧いたことがある。国連ア
ジア極東経済委員会の後援で日本、韓国、台湾の海洋問題専門家が東シナ海の海底調査
を実施した結果、かなりの石油・天然ガス資源が尖閣諸島周辺に埋蔵されているらしい
と大々的に報じられた。沖縄には一大朗報だ。新聞もテレビも大々的にこのニュースを
報道した。
尖閣諸島は国際法的にも歴史的にも日本の領土であることは間違いないし、実効支配
もしてきた。ところが、尖閣諸島などにそれまで関心も示さなかった中国と台湾が急に
騒ぎ出し、71年には相次いで領有権を主張し始めた。
時あたかも米中両国が国交樹立に動き、その大きな波長の中で日中平和友好条約が締
結される。日中友好ムードの中で日本はコロリと騙される。78年2月に来日した!)小平
は、「尖閣諸島の領有問題は次の世代まで棚上げしよう」と提案し、これを日本は事実
上受け入れてしまう。「棚上げしよう」というのは歴史的にも国際法的にも係争中の領
土問題が存在したことを認めてしまったことになる。
当時外務省の高官数名から「こうなったら落としどころは資源の共同開発だ」との発
言を直接耳にした。14年後の1992年、中国政府は揚尚昆国家主席名で領海法を公布し、
同日付で発行させた。つまり、勝手に中国領に編入してしまったのだ。
あらゆる点でこちら側に理がありながら、ジリジリと詰め寄られると後退し、相手を
刺激しないで解決する方法を上手く考えようというのが日本の当局者のこれまでの態度
だった。≫
日本は国家観を確立せず、自主独立の精神を日米同盟に埋没させてしまったからこそ、
他国の主権侵害に対して断乎とした措置が取れなくなってしまったのだということです。
悪いのは、日本政府です。中国や台湾の無法な言いがかりを、最初断固としてから「馬
鹿なこと言うな」とピシャリと反論しなかった日本政府にあります。
でも、せめて台湾には「中国人とは違う」という良識を示して欲しいものですが、や
はりそうさせてしまう日本政府の責任なのでしょうね。
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