http://www.sankei.com/world/news/171008/wor1710080018-n1.html写真:8日、都内のホテルで開かれた蔡焜燦氏を「偲ぶ会」で、遺影に献花する出席者(三塚聖平 撮影)
台湾の「日本語世代」を代表する存在で7月17日に90歳で亡くなった実業家の蔡焜燦(さいこんさん)氏を「偲ぶ会」が8日、都内のホテルで開かれた。蔡氏と親交のあった日台の関係者170人超が出席。生前の姿を振り返りつつ、自ら「愛日家」を名乗った蔡氏との別れを惜しんだ。
偲ぶ会は、産経新聞社や日本李登輝友の会などの後援で開催。作家の門田隆将氏や阿川佐和子氏、杏林大名誉教授の田久保忠衛氏、産経新聞社の熊坂隆光会長らが出席し、蔡氏との思い出を披露した。
日本李登輝友の会の渡辺利夫会長は「日本統治時代に育まれた『日本精神(リップンチェンシン)』を実現した大いなる人物」と強調。蔡氏の三男で日本国籍を持つ清水旭氏(60)は「最後まで日本と台湾を愛した偉大な父だった」と述べ、会場から大きな拍手を送られた。
台湾の李登輝元総統から送られた弔辞も披露された。李氏は「蔡先生が日本の皆さんへ必ずといっていいほど呼びかけたのが『日本人よ、胸を張りなさい』だった。日本が自信を持ち、台湾とともにアジアを引っ張っていくことを強く望んだ心の叫びとも言えるだろう」と指摘し、蔡氏が日台関係において果たした功績をたたえた。
最後に蔡氏への感謝を込め、参列者が「仰げば尊し」を斉唱して故人をしのんだ。
蔡氏の偲ぶ会は、9月23日に台湾でも開かれていた。