近年の日本は台湾関係の本が毎月発売され、あふれるほどです。イベントも数多く行われるようになりました。20年前なら想像もできませんでしたが、台湾が本当に身近になったことを実感します。 その中でも、歴史をよく知り、広い視野をもって台湾の紹介に取り組んでいるのが台湾在住作家の片倉佳史(かたくら・よしふみ)氏と台湾在住ライターの真理さん夫妻ではないかと思います。
このほど片倉真理さんが初めての単著となる『台湾探見 Discover Taiwan―ちょっぴりディープに台湾(フォルモサ)体験』をウェッジから出版。写真は夫の片倉氏が担当したそうです。
一見すると、お店や料理の写真が多いので台湾料理などを紹介する内容かと思われるかもしれませんが、そうではなく、例えば宜蘭のところでは西郷菊次郎の足跡を端的にかつ的確に紹介し、その上、西郷の徳政碑を解読した李英茂さんまで取材して紹介しています(「蘭陽平原に秘められた日台の歴史」)。
このきめ細かな取材力が本書の魅力の一つになっているようで、読みあきない理由もこのあたりあるようです。台湾をよく知っている方にも、台湾をもっと知りたいという方にも、読み応えのある1冊です。
なお、版元のウェッジは、李登輝元総統の名著『李登輝より日本へ 贈る言葉』(2014年)も出版しています。
本書を紹介しようと思っていた矢先、片倉佳史氏が昨日のメルマガ「片倉佳史の台湾便り」で本書を紹介していましたので、併せて紹介します。
————————————————————————————-新刊『台湾探見〜ちょっぴりディープに台湾体験』(片倉真理)【片倉佳史の台湾便り(第119号):2018年5月1日】http://katakura.net/
新刊のご報告をさせていただきます。
このたび、片倉真理の新刊が刊行となりました。『台湾探見〜ちょっぴりディープに台湾体験』という一冊で、私と家内が取材を通して眺めた台湾の姿をまとめた一冊です。
文章は片倉真理、写真は私が担当しました。家内にとっては日本国内初の単独著作となります。 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12494
ソフトカバー292ページ、オールカラーで、少し分厚い一冊になっています。
私たち夫婦の「台湾体験」は20年近くになりますが、本書では台湾各地の風土や祭典、歴史、日本とのかかわりなどを取り上げてみました。
最近、私たちは台湾の最大の魅力は何かと考える際、それは「台湾を学ぶ愉しみ」ではないかと思っています。
本書もそういった切り口で作ってみました。
【目次より】
●素顔の台湾を見つめる 航海の女神・媽祖 マンゴーの香りに誘われて・玉井 凍頂烏龍茶の郷を訪ねて
●人々が愛する故郷 知られざる大都会・台中 地方都市の魅力・嘉義 「古都」ではない古都・台南 大都会の中の港町風情・高雄
●台湾の「田舎」で魅力再発見 蘭陽平原に秘められた日台の歴史・宜蘭 客家の郷を訪ねる・美濃 絶景路線の旅・高雄から台東まで
●原住民族と秘境の文化に触れる 魅惑の東海岸 サイシャット族の村を訪ねる 台湾の最果ての地を訪ねる・馬祖
●新たな潮流を生み出す人々 台北
台湾ブームが注目される昨今ですが、今回は私たちなりに台湾の魅力を考え、まとめてみました。いわゆるガイドブックのスタイルとは異なりますが、より深く、台湾を理解するのに役立てればと思っております。
すでに全国の書店に並んでいるので、見かけましたら、ぜひお手に取ってみてください。大型書店を中心に平積みにしていただいています。
http://www.katakura.net/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=2805 地方都市を含めた常備店リスト
おかげさまで、amazonなどのネット系書店では発売開始と同時に軒並み在庫切れ状態になってしまい、嬉しい悲鳴をあげています(苦笑)
4月27日現在、確実に購入できるネット書店は、以下のみとなっています。ご不便をおかけします。もうしわけございません。 https://honto.jp/netstore/pd-book_29031834.html
また、先だって、4月14日に東京、15日には大阪で、刊行記念講演会を行ない、両会場とも合計250名もの方にお集まりいただきました。台湾好きの方々が増えている現実を肌で感じ、嬉しく思いました。
また、電子書籍版も出ております。こちらもよろしくお願いいたします。 http://amzn.asia/ekz80Vj
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
片倉佳史・片倉真理