タクシー大手の大和(だいわ)自動車交通は8月6日、台湾最大手タクシー事業者「台湾大車隊」と観光タクシー&空港送迎のウェブ予約・アプリ配車で業務提携、サービス正式導入に向けた実証実験を同日より開始すると発表した。実証実験がうまくいけば、11月に正式サービスとして展開するという。
大和自動車交通は「日本と台湾、双方のアプリユーザーが自国あるいは生活拠点とする国において使用する配車アプリをそのまま相手国でも使用して現地のタクシーを即時配車できるサービス(海外ローミングサービス)は、当業界において前例のない画期的なサービス」と胸を張る。
ちなみに、大和自動車交通は東京を拠点としているため、それ以外に住む方々にはなじみのないタクシー会社かもしれないが、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車とともに東京を代表する東証2部上場の大手タクシー業者だ。
日本と台湾は国交がなくても、台湾生まれの日本人である湾生や台湾の日本語世代などを中心に培ってきた「絆」がまた一つ、このような提携を花開かせたようだ。
下記に、大和自動車ホームページ掲載の「最新のお知らせ」と、この業務提携を伝える記事をご紹介したい。
◆大和自動車ホームページ:最新のお知らせ【2018年8月6日】 台湾最大手タクシー事業者「台湾大車隊」と観光タクシー&空港送迎のウェブ予約・アプリ配車 で業務提携、サービス正式導入に向けた実証験をスタート http://www.daiwaj.com/news/2018/180806.pdf
日本・台湾のタクシー大手が「Web配車予約」で連携 観光・送迎で相互送客【ITmedia:2018年8月6日】http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1808/06/news080.html
タクシー大手の大和自動車交通は8月6日、台湾のタクシー最大手・台湾大車隊(Taiwan Taxi)と業務提携すると発表した。両社のWebサイトやアプリ上で、相手国のタクシーの事前予約や配車依頼ができるサービスの実証実験を始める。言語面の課題を解消し、利便性を高めることで相互送客を図る。
タクシーの大手2社が、Web上での相互送客の面で連携するのは業界初という。
日本の顧客向けには、台湾大車隊が運営する観光タクシーを大和自動車交通のWebサイトで予約できるサービスを6日に始めた。9月1日からは、台湾桃園国際空港(台湾 桃園市)への送迎なども、大和自動車交通の配車アプリ上で予約できるようにする。
主な観光ツアーは、台湾北海岸の景観や金鉱山の跡地を巡る「水金九金鉱山の旅」(4700台湾ドル〜)――など4種類。訪れる観光地やスケジュールは全て日本語で書かれており、申し込みフォームに必要情報を入力することで予約できる。
当日は空港などで台湾大車隊のドライバーが出迎え、事前に予約したコース通りに観光地を周遊するため、コミュニケーション面でのトラブルを防ぐ。万が一に備え、日本語が話せるドライバーを選択できるほか、日本語対応のコールセンターも設ける。
台湾の顧客向けには6日に、大和自動車交通が運営する観光タクシーと羽田・成田空港への送迎を、台湾大車隊のWebサイトで予約できるようにした。10〜12月をめどに、空港への送迎などをアプリでも予約可能にする予定。
大和自動車交通は、浅草寺雷門・日本橋・東京スカイツリー・両国国技館を巡るツアーなどを展開する。台湾からの訪日客を羽田・成田空港で出迎え、各スポットを周遊するなど、台湾大車隊と同様のサービスを提供する。
大和自動車交通は「今後はサービスを標準化し、日本と台湾のお客さまの満足度向上に貢献できるよう目指す」としている。
同社は2018年初頭に、同じ方向に向かう乗客をスマートフォンアプリでマッチングし、1台のタクシーに相乗りで乗車可能にする実験を国土交通省と共同で実施するなど、新サービスの創出に注力している。