【祝】 国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館が学術研究交流協定を締結

一昨年(2013年)の9月12日から11月26日まで台湾・台南市の国立台湾歴史博物館(呂理政館
長)との共催で企画展「台湾平埔族の歴史と文化」を開催して公表を博した大阪府吹田市にある国
立民族学博物館(須藤健一館長)は10月16日、その国立台湾歴史博物館と学術研究交流協定を締結
しました。

 心から祝意を表するとともに、それを伝える中央通信社のニュースを紹介します。

 国立民族学博物館は通称「みんぱく」と呼ばれています。これは、千葉県佐倉市にある国立歴史
民俗博物館の名称と似通っているため、こちらは通称「歴博」と呼ばれて区別されています。

 この記事にもあるように、「歴博」こと国立歴史民俗博物館は昨年(2014年)7月に国立台湾歴
史博物館とも交流協定を結んでいます。

 記事にはありませんが、「歴博」は一昨年(2013年)5月に台北市北投区にある国立台北芸術大
学(朱宗慶学長)とも交流協定を結んでいます。また、この協定に先行する4年前の2009年5月、国
立民族学博物館は国立台北芸術大学と交流を推進する学術協定を結んでいます。

 いささか分かりにくい説明だったかもしれませんので、年代順に示します。つまり、大阪の国立
民族学博物館と千葉の国立歴史民俗博物館は、時期こそ違え、台湾の国立台北芸術大学と国立台湾
歴史博物館と協定を結んだということです。

・2009年05月、国立民族学博物館と国立台北芸術大学が学術協定を締結。
・2013年05月、国立歴史民俗博物館と国立台北芸術大学が交流協定を締結。
・2014年07月、国立歴史民俗博物館と国立台湾歴史博物館が交流協定を締結。
・2015年10月、国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館が学術研究交流協定を締結。

 実は、日台間では学術協定や博物館同士の提携はさほど珍しいことではありません。上記の協定
を加えて、それらを2013年から年代順に並べてみますと下記のようになります。ただし、これは
ニュースになった記事だけを基にしていることをお断りします。

・2013年05月、国立歴史民俗博物館と国立台北芸術大学が交流協定を締結。
・2013年09月、京都大学と成功大学が博物館協力覚書を締結。
・2013年11月、日本映画大学と台湾・国立台北芸術大学が学術交流協定を締結。
・2013年11月、福井県立大学と国立台中科技大学が学術交流協定を締結。
・2013年12月、西都原考古博物館と十三行博物館が姉妹締結。
・2014年02月、台湾大学が名古屋大学と学術交流協定を締結。
・2014年03月、国立国語研究所と中央研究院言語学研究所が協力覚書を締結。
・2014年07月、国立歴史民俗博物館と国立台湾歴史博物館が交流協定を締結。
・2015年03月、北海道大学と国立金門大学が学術交流協定を締結。
・2015年03月、広島大学と国立金門大学が学術交流協定を締結。
・2015年10月、国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館が学術研究交流協定を締結。

 このように日台間では頻繁に学術協定や博物館同士の提携が行われています。しかし、今回の国
立民族学博物館と国立台湾歴史博物館のようにニュースとして報じられれば分かるのですが、大学
や博物館では協定締結についてはホームページに掲載する程度で、対外的な広報活動をしていない
ところが多いようですから、ニュースにならないことの方が多いような感触です。

 しかし、日台間では学術協定や博物館同士の提携が着実に行われています。日台間の姉妹都市提
携なども同様ですが、協定を締結するということはその必要があって結んでいるわけですから、こ
ういうところにこそ日台交流の重要なポイントが潜んでいます。日本メディアに目を向けて欲しい
ところです。


国立台湾歴史博物館、日本の「みんぱく」と交流協定を締結
【中央通信社:2015年10月18 日】
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201510180003.aspx

 (台北 18日 中央社)国立台湾歴史博物館(台南市)は16日、国立民族学博物館(大阪府吹田
市)と学術研究交流協定を締結した。研究や展示での協力を通じて内容の充実化を図る。

 台湾歴史博物館の呂理政館長と民族学博物館の須藤健一館長が協定書に調印した。

 双方は2013年に台湾の先住民「平埔族」に焦点を当てた特別展を共催するなど関係を深めてき
た。15日〜17日には台南でワークショップが開かれ、博物館のあり方に関する講演や研究発表が行
われた。

 台湾歴史博物館では開館以来、海外で所蔵されている台湾関連資料の把握に尽力。2014年には国
立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)とも協力協定を結んでおり、今後も国外の博物館との交流を深
めたいとしている。

                                   (編集:齊藤啓介)


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