した。協定締結のきっかけは、「KANO」こと嘉義農林学校が1931年(昭和6年)に甲子園で準
優勝するまでの軌跡を描いた映画「KANO」だった。中央通信社の記事を下記に紹介したい。
嘉義農林が決勝で敗れたのは中京商業学校(現在の中京大学附属中京高等学校)。そこで、本会
の愛知県支部が中京大学に嘉義農林の後身、嘉義大学との交流を勧めるため、大学側に映画「KA
NO」を見ていただいたのが直接のきっかけだった。
日台間で大学や博物館同士の学術交流は少なくない。今年は3月12日に北海道大学と国立金門大
学、翌3月13日には広島大学と国立金門大学がそれぞれ学術交流協定を結んでおり、3月28日には宮
崎大学と彰化県の大葉大学が姉妹校を締結している。
昨年も、2月22日に台湾大学が日本研究センターを開設して名古屋大学と学術交流協定を結び、4
月1日には国立民族学博物館と順益台湾原住民博物館が学術協力協定を結ぶなど、ニュースとして
伝えられるだけでも年に数件ある。
このような大学や博物館同士の交流がしっかりと日台間の礎を築いているが、映画がきっかけと
なり、縁の深い大学同士が学術協定を結ぶまでに至ったのは珍しい。映画の影響は中京大学のある
名古屋市にも波及し、現在、台湾の中部都市と姉妹提携を模索しているという。中京大学と嘉義大
学の学術交流協定の締結に祝意を表しつつ、姉妹都市提携に結びつくことを心から期待したい。
台湾・嘉義大と中京大、学術交流協定を締結 映画「KANO」による縁で
【中央通信社:2015年12月15日】
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201512150003.aspx
写真:左から中京大の安村仁志学長、嘉義大の艾群・学術副校長
(台北 15日 中央社)中京大(愛知県)は14日、嘉義大(嘉義市)と学術交流協定を結んだ。調
印式は嘉義大で行われ、中京大の安村仁志学長と嘉義大の艾群・学術副校長が署名した。安村学長
は、日台の地理的な近さと両校がともに野球の歴史を持つことに触れ、協定締結によって将来的に
交換留学などを実施し、スポーツ分野での実質的な交流もできればと期待を寄せた。
協定を結ぶきっかけになったのは台湾映画「KANO〜1931海の向こうの甲子園〜」。嘉義大の前身
である嘉義農林学校の野球部が1931年に出場した全国中等学校優勝野球大会決勝戦で戦った相手
が、中京商業学校(現・中京大学附属中京高等学校)だった。
中京大はこの縁から、嘉義大に協定の締結を打診。中京大を運営する梅村学園の梅村清英理事長
ら学園幹部は今年9月、嘉義大を訪問し、邱義源校長や教授陣らと協定締結に向けた協議や意見交
換を行っていた。
(江俊亮/編集:名切千絵)