ダブル・ディグリーとはあまり聞き慣れない名称ですが、文部科学省によりますと「我が国と外国の大学が、教育課程の実施や単位互換等について協議し、双方の大学がそれぞれ学位を授与するプログラム」(「我が国の大学と外国の大学間におけるダブル・ディグリー等、組織的・継続的な教育連携関係の構築に関するガイドライン」)のこと。
近年、このプログラムを取り入れている日本の大学は多く、早稲田大学と国立台湾大学、慶應大学経済学部とパリ政治学院、同志社大学法学部とアリゾナ大学など多くの大学で実施し、九州大学もダブル・ディグリー協定校は国立台湾大学法律学院、マラヤ大学法学研究科、中国人民大学経済学院など14大学と実施していて、国立台湾科技大学は15校目となるようです。
ちなみに、国立台湾工業技術学院として1974年に開校し、1997年に国立台湾科技大学と改称しています。昨年3月には東京工業大学と「全学協定(学術交流協定)」を締結し、8月には京都工芸繊維大学「大学間学術交流協定」を締結するなど、日本の大学と積極的に交流しています。
一方、本誌でもお伝えしたように九州大学は一昨年から、21世紀プログラムと台湾スタディーズプロジェクトの共同企画「台湾事情─台湾を知り、日本を知る。」という公開講座をはじめており、下記にご紹介する中央通信社の記事では「両大は一部の学部が2017年に部局間学術・学生協定を結んだのを機に交流を進めていた」とあり、九大側も台湾との大学交流などに熱心なようで、双方の熱意が今回の「大学間協定」として実ったようです。
————————————————————————————-台湾科技大、九州大と大学間協定 学位取得でも連携【中央通信社:2019年1月16日】http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201901160008.aspx
(台北 16日 中央社)台湾科技大学(台科大、台北市)は15日までに、日本の九州大学(福岡市)と大学間協定を締結した。両大は双方の学位を同時に取得できる「ダブルディグリー・プログラム」の導入でも合意。交換留学などで連携を深める。台科大の廖慶栄学長は、互いに国際競争力を高め合えればと期待を示し、共同研究や産学協力などのプロジェクトを立ち上げていきたいと意欲を見せた。
ダブルディグリー・プログラムは、単位互換制度を利用して提携校に一定期間留学し、双方の学位を得られる制度。両大では、修士課程の院生に適用される。
台科大の廖学長が九州大を訪れ、久保千春総長と協定書に調印した。両大は一部の学部が2017年に部局間学術・学生協定を結んだのを機に交流を進めていた。
(許秩維/編集:塚越西穂)