谷垣禎一法務大臣に第10期の署名用紙とともに「台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書」を送
達しました。ここにその全文をご紹介します。
ちなみに、これまでの署名総数は3万4,351名(第1期:15,604名、第2期:11,105名、第3期:
1,228名、第4期:1,296名、第5期:2,592名、第6期:570名、第7期:790名、第8期:752名、第9
期:352名、第10期:62名)となっています。
本年1月1日〜3月31日の第10期の期間は、ちょうど桜ツアーや総会などの準備に忙殺されていた
ため街頭署名活動がかなわず62名に終わりました。今後はできるだけ街頭署名にも力を入れたいと
考えています。
第10期を区切りとして、署名期間をこれまでの3ヵ月から4ヵ月に延ばし、第11期は4月1日〜7月
31日としました。
本会では一刻も早く戸籍問題を解決するため、日本人や台湾人の声を法務大臣に届けてまいりま
す。今後もご協力のほどよろしくお願いします。
台湾出身者の戸籍表記是正を求める要望書
私ども日本李登輝友の会は、文化交流を主とした日本と台湾の新しい関係を構築することを目的
として活動している民間団体です。
法務省はこれまで、台湾出身者が日本人と結婚したり帰化した場合、戸籍の国籍や出生地を「中
国」や「中国台湾省」と表記してきました。中国とは中華人民共和国のことであり、中国台湾省と
は中華人民共和国の行政区を指します。即ち、台湾出身者を中国人としているのが現在の戸籍制度
です。
戸籍において、台湾出身者の国籍を「中国」としたのは、昭和39(1964)年6月19日付で出され
た法務省民事局長による「中華民国の国籍の表示を『中国』と記載することについて」という通達
でした。これは政府も、大江康弘・参議院議員の「質問主意書」に対する「答弁書」で明確に認め
ています。
昭和39年といえば今から50年も前、東京オリンピックが開催された年で、日本が中華民国と国交
を結んでいた時代です。しかしその後、日本は中華民国と断交して中国と国交を結ぶなど、日本と
台湾・中国の関係は大きく変わっています。
そこで日本政府は平成17年9月から台湾観光客に対するビザ免除を恒久化し、平成19年9月には自
動車運転免許証の相互承認を行い、中国とは異なる対応を続けてきています。東京都も平成25年5
月、住民基本台帳の表記について、台湾からの転入・台湾への転出の際には「台湾」の表記を認め
るという通知を出しています。
さらに平成24年7月9日、外登証を廃止し新たな在留カードの交付に際しては「国籍・地域」欄を
設け、台湾出身者は「中国」ではなく「台湾」と明記しています。同時に実施された外国人住民基
本台帳でも、台湾出身者の「国籍・地域」は「台湾」と表記するようになりました。もちろん、台
湾が官民挙げて歓迎していることは周知の通りです。
ましてや台湾は、これまで一度たりとも中華人民共和国の統治を受けたことはなく、台湾を中国
領土とするのは、台湾侵略を正当化するための中国の政治宣伝以外のなにものでもありません。事
実、この戸籍表記は日本政府の見解にも合致しておらず、これを放置しておくことは中国の覇権主
義的主張を受け入れているとみなされかねません。
ついては、法務大臣は戸籍の国籍欄および出生地欄を在留カードにならって「国籍・地域」と
し、台湾出身者は「中国」ではなく「台湾」と表記すべく、早急に民事局長通達を出し直すよう強
く要望します。併せて、ここに私どもの要望に賛同する署名(第10期)62名分を呈します。
ご承知のように、賛同署名は平成23年11月の第1期分(1万5,604名)以来、今年1月の第9期まで3
万4,289名分の署名を要望書とともに送付しています。
法務大臣におかれては、すでに在留カードや外国人住民基本台帳が実施された現在、その整合性
を図るためにも早急に民事局長通達を出し直し、台湾出身者は「台湾」と表記するよう強く要望し
ます。
平成26年4月8日
日本李登輝友の会 会長 小田村 四郎
法務大臣 谷 垣 禎 一 殿