【産経新聞:平成23年(2011年)7月21日】
今年3月に文部科学省の検定を受けた中学社会の地図帳で、台湾が中国領のように表記さ
れているのは問題だとして、日台交流を進める民間団体「日本李登輝友の会」(小田村四
郎会長)は20日、表記に至った経緯や見解を求める質問書を、文科省と発行した東京書籍、
帝国書院に提出したことを明らかにした。
両社の地図帳では、台湾と中国の間に国境線などを示す破線などがなく、中国領のよう
に受け取れる表記になっている。さらに、東京書籍の地図帳では、日本が昭和20年に台湾
を中国に返還したと記載。世界の大都市人口の表でも都市名の後に「(台湾)」と付記し
ながらも、中国の都市として台北と高雄を表記した。同会では「領土に関する解釈の違い
ではなく、事実として間違っている。近隣諸国への配慮から表記しているのであれば、事
実を歪曲(わいきょく)する深刻な事態だ」と話している。