台湾の金車教育基金会という団体が「地球村公民国際アンケート」の結果を記者会見で
発表した。この金車教育基金会による大学生や専門学校生を対象にしたアンケートは2年ご
とに行われ、今回のアンケート調査は10月上旬、1,600人を対象に行い、89.1%に当たる
1,425人から有効回答を得た。
その結果、「台湾に最も友好的な国はどこか」の回答では3回連続で日本がトップ(56%)
となり、前回(2009年6月)よりも11.6ポイントも伸ばした。一方、「友好的でない国」は
中国が4回連続で断トツの87.9%。前回よりも5ポイント高くなっていた。ちなみに、2009
年6月に行った前回の金車教育基金会のアンケート結果は下記のとおり。
・台湾に最も友好的な国・地域 1、日本(44.4%) 2、米国(41.6%)
・台湾に最も友好的でない国・地域 1、中国(82.9%) 2、韓国(33.3%)
経済協力枠組み協定(ECFA)などで中国との交流が深まっているはずの台湾だが、
若者たちは日本への親近感が増し、中国をますます嫌っていることがはっきりした。台湾
でも、政治への関心が低いとされる若者たちの回答ゆえに、むしろ説得力がある。
下記にそれを伝える「中國時報」と日本語訳(本誌編集部)を紹介したい。
◆近9成學子:大陸對台灣不友善
【中國時報:2011年11月23日】
http://tw.news.yahoo.com/%E8%BF%919%E6%88%90%E5%AD%B8%E5%AD%90-%E5%A4%A7%E9%99%B8%E5%B0%8D%E5%8F%B0%E7%81%A3%E4%B8%8D%E5%8F%8B%E5%96%84-213000205.html
金車教育基金会は最新の調査結果を発表し、ほぼ9割近くの若者が、台湾にとって中国
(87.9%))が最も非友好的であり、それに韓国(47%)が続くと指摘した。また、台湾
に最も有効的な国に選ばれたのは日本だった。
基金会の曾清芸・総幹事は「たとえ両岸の交流が日増しに活発化しても、若者は中国に
強烈な嫌悪感を抱いている」と指摘した。
金車教育基金会は台湾全国の5つの高校、12の大学および専門学校において「地球村公民
国際アンケート」の調査を行い、1425通の有効なサンプルを回収した。
学生が回答した「最も友好的な国」は日本の56%、2位が米国の40%、それにアフリカや
中南米など国交を有する国家が続く。曾総幹事は「日本文化やドラマ、映画、アニメなど
の流行や情報の影響もあり、日本は3回連続で若者たちにとって最も友好な国家のトップを
獲得。また、その割合は前回の2009年より12%上昇している」と述べた。
淡江大学中国大陸研究所の楊景堯・副教授は「2008年4月、10か所の公私立大学で1000名
の学生を相手に似たようなアンケートを行ったが、結果は今回の基金会が行ったものとほ
ぼ変わらず。4分の3の大学生が、最も非友好的な国家に中国を選び、いちばん好きな国は
日本だった。台湾の学生が中国を嫌っているのは予想できたことでまったく驚くことでは
ない。現実に中国は台湾に対し友好的ではない。中国はこの結果をきちんと検討すべき」
と直言した。
今年、台湾大学国家発展研究所の修士課程に進学してきた中国出身の張可さんは「台湾
の学生が非友好的と考えるのは両国政府間のことだと思う。台湾大学に来て3ヵ月、同級生
は仲良くしてくれるし、非友好的な感覚は全くない」と答えた。
(翻訳・本誌編集部)